2022年09月28日

安倍元首相の「国葬」 合意なき追悼の重い教訓

安倍元首相の「国葬」が終わりました。
国会周辺は弔問に訪れる人々、そして国葬反対の人々のデモが入り乱れ、まさしく国と国民を分断した「国葬」となりました。
国会を軽視し、国民へおざなりな説明を繰り返し、国民の半数以上の反対があったにも関わらず国葬を強行した岸田内閣の「終わりの始まり」との報道もありました。
2022年9月27日は決して忘れてはならない一日となりました。

10月に開催される国会では、日本の政治史上まれにみる混乱を招いた「国葬」問題、旧統一教会問題、円安問題、物価の高騰問題・・・等々が議論されることになるでしょう。国民にわかりやすい議論が求められます。

毎日新聞 2022/9/28 社説

安倍元首相の「国葬」 合意なき追悼の重い教訓

 参院選の遊説中に銃撃され亡くなった安倍晋三元首相の「国葬」が、厳戒下で営まれた。

 首相経験者としては戦後2例目となり、1967年の吉田茂元首相以来55年ぶりである。

 三権の長や海外の要人ら4000人以上が参列し、会場外の献花台には長い列ができた。岸田文雄首相は弔辞で、「開かれた国際秩序の維持増進に、世界の誰より力を尽くした」と功績をたたえた。

 凶弾に倒れた故人を悼む機会を設けること自体には、異論は少ないだろう。

 しかし、国葬反対の声は日を追うごとに高まり、毎日新聞の直近の世論調査では約6割に上った。一部の野党幹部が参列せず、反対集会も開かれた。

分断招いた強引な手法
 岸田首相は当初「国全体で弔意を示す」と説明したが、幅広い国民の合意は得られず、かえって分断を招いた。

 その責任は、国葬という形式にこだわり、強引に進めた首相自身にある。

 そもそも政治家の国葬には、明確な基準や法的根拠がない。そうであれば、主権者である国民を代表する国会が、決定手続きに関与することが不可欠だったはずだ。

 だが、首相は「暴力に屈せず、民主主義を守る」と言いながら、国会に諮らず、閣議決定だけで実施を決めた。議会制民主主義のルールを軽視し、行政権を乱用したと言われても仕方がない。

 国葬には約16億6000万円の国費がかかり、国会の議決を経ない予備費からも支出される。

 「安倍氏をなぜ国葬とするのか」という根本的な疑問は、最後まで解消されなかった。

 歴代最長の通算8年8カ月間、首相を務めた安倍氏だが、退陣してまだ2年で、歴史的な評価は定まっていない。森友・加計学園や「桜を見る会」などの問題も未解明のままだ。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との深い関わりが発覚したことが、反対論に拍車をかけた。自民党議員と教団の重要な接点となっていた疑いが浮上している。

 ところが岸田首相は、安倍氏が死去したことを理由に調査を拒んでいる。閣僚や自民党議員に対する調査も不十分だ。疑念にふたをしようとする姿勢に、国民の不信が深まった。

 批判の高まりを受け、「弔意を強制するものではない」と首相は繰り返した。自治体や教育委員会などに対する弔意表明の協力要請も見送った。

 無理を通そうとした結果、国葬色は薄れて、名ばかりのものとなった。

 実施決定から約1カ月半後に、ようやく開かれた衆参両院の閉会中審査は、わずか計3時間にとどまった。首相の答弁は説得力に欠けた。

 国葬を強行した手法は、首相が掲げる「聞く力」や「丁寧な説明」とは程遠い。かつて安倍・菅両内閣が独断で物事を決め、異論に耳を傾けなかったことに対する反省はうかがえない。

前例にしてはならない

 一連の経緯から浮かび上がったのは、政治家の国葬は、価値観が多様化する現代になじまないということだ。

 戦前・戦中には、皇族だけでなく、軍功があった人物も国葬とされ、国威発揚の手段に使われた。その反省から、旧国葬令は敗戦直後に廃止された。

 吉田元首相の国葬の際にも、基準の曖昧さや法的根拠の欠如が問題となった。

 このため75年の佐藤栄作元首相の葬儀は、内閣・自民党・国民有志の「国民葬」として行われた。80年の大平正芳元首相以降、内閣と自民党による「合同葬」が主流となってきた。

 国民の理解を得て、静かに故人を送る環境をどう整えるのか。半世紀以上にわたり、首相経験者の国葬が行われなかったのは、対立や混乱を避けるための政治的な知恵だった。

 にもかかわらず岸田首相は、国葬の実施について「時の政府が総合的に判断するのが、あるべき姿だ」と強弁した。それでは、恣意(しい)的に運用される恐れがあり、特定の政治家への弔意を国民に強いることにもつながりかねない。

 そうした事情への配慮を欠いたことが、追悼の環境を損ない、分断を深めてしまった。前例とすることがあってはならない。

 今回の国葬の重い教訓である。
posted by イズノスケ at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月27日

まもなく、安倍元首相の国葬(国葬儀?)

9月27日。まもなく安倍元首相の国葬が行われます。政府は「国葬儀」といっているらしい。今まで使ってなかった名称のようですが・・・
真摯に、丁寧に説明すると言っていた岸田首相は何故この名称にしたのか国民に説明したのでしょうか。
各種世論調査によると国民の半数以上の反対を押し切って行われる国葬が今後の日本の政治ににどのような影響を及ぼすのか、とても興味深いものです。

9月27日毎日新聞「余禄」

「ザ・ヒットパレード」「丹下左膳」「奥様は魔女」「そっくりショー」…


「ザ・ヒットパレード」「丹下左膳(たんげさぜん)」「奥様は魔女」「そっくりショー」。55年前の吉田茂(よしだ・しげる)元首相の国葬の際、放送が見送られたテレビのレギュラー番組である。当時の政府が自粛を求め、各局が横並びで自主規制に動いた

▲代わりに組み込まれたのがオーケストラの演奏会だった。ベートーベンの「英雄」やハイドンの「告別」、チャイコフスキーの「悲愴(ひそう)」などが流された。歌舞音曲が禁止された戦前の国葬が記憶に新しい時代である

▲8年後の佐藤栄作(さとう・えいさく)元首相の国民葬では政府は自粛要請をせず、中継以外の大きな番組改編はなかった。その5年後に現職で死亡した大平正芳(おおひら・まさよし)首相の内閣・自民党合同葬も同様で、弔問に訪れた米中首脳の会談が世界的な注目を集めた

▲名称や要請の変遷からは国民主権の下で国家的葬儀をどう執り行うかに腐心してきた歴代政権の姿が浮かぶ。価値観が多様化した民主社会で国民全体の弔意を前提にした政治家の国葬は難しいというのがコンセンサスではなかったか

▲凶弾に倒れた安倍晋三(あべ・しんぞう)元首相の国葬がきょう行われる。世論調査では反対が多数を占める。弔意を強制せず、歌舞音曲の自粛も求めないのは当然だが、それではなぜ国葬なのか。名称で外国の弔問客の顔ぶれが変わるわけでもない

▲岸田文雄(きしだ・ふみお)首相の説明は説得力に欠ける。世論の反応から明らかだ。過去の経緯を踏まえず、国民的な議論もないまま重い名称を復活させたことが混乱の原因だろう。「聞く力」と程遠い独断の結果を教訓にしてほしい。
posted by イズノスケ at 10:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月22日

静岡県御達者度、伊豆市女性2位

9月19日 伊豆日日新聞

静岡県は19日までに、65歳以上の人が介護を受けたり、病気で寝たきりになったりせず、自立して健康に生活できる期間を示す2019年度の35市町別「御達者度」を公表した。
伊豆地区からは伊豆市女性2位、三島市が男性7位、伊豆の国市の女性が8位に入った一方、下位は男女とも伊豆の市町が占めた。最短は男女とも河津町だった。

img20220922_06182166.pdf


伊豆地区の多くは男女とも低位が多いですが、伊豆市の女性は2位と健闘。素晴らしい。
この要因は、どのようなものでしょうか。高齢者が健康に過ごしていくヒントを探りたいですね。
posted by イズノスケ at 06:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月20日

内閣支持続落、29% 旧統一教会対応「評価せず」72% 毎日新聞世論調査

岸田政権に対してのマスコミ各社の世論調査が出されています。
各種世論調査の結果、岸田内閣の支持率は大幅にダウンし、支持しないが支持するを上回る結果が出ています。
毎日新聞が18日、19日に実施した全国世論調査では岸田内閣の支持率は29%、不支持率は64%となっています。
支持率ダウンの要因は、旧統一教会問題、安倍元首相の国葬問題、新型コロナ感染症問題などへの岸田内閣の対応への国民の不信感の増大が大きいとされています。
特に、まじかに迫ってきた国葬問題への国民の評価は「反対」が」「賛成」を大きく上回っています。
しかし、「国民の声を真摯に聞く」と言って首相になった岸田首相は、国民の声を聴く耳を持っていないようです。
国民の声を聞かず、自民党の保守派、安倍派への忖度で国葬を強行しようとしている岸田内閣への支持率はさらに低下していくことになるでしょう。


毎日新聞 2022/9/19

内閣支持続落、29% 旧統一教会対応「評価せず」72% 毎日新聞世論調査

 毎日新聞と社会調査研究センターは17、18の両日、全国世論調査を実施した。岸田内閣の支持率は29%で、8月20、21日の前回調査の36%から7ポイント下落した。内閣支持率が30%を切るのは、2021年10月の政権発足以降初めて。前回調査でも前々回比で16ポイント減少しており、下落傾向が続いている。不支持率は64%で、前回(54%)より10ポイント増加した。(2面に関連記事と「質問と回答」)

国葬「反対」62%
 また、自民党の支持率も前回(29%)から6ポイント低下し23%だった。現在の方法で調査を始めた20年4月以降で最低となった。内閣支持率や自民党支持率の低下は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題や安倍晋三元首相の国葬の開催が影響しているようだ。

 旧統一教会の問題を巡る岸田政権の対応について、「評価する」との回答は12%にとどまり、「評価しない」の72%を大幅に下回った。「どちらとも言えない」は16%だった。

 自民党が実施した旧統一教会と党所属議員との関係の調査については、「十分だ」は14%で、「不十分だ」の76%を大きく下回った。自民党支持層でも5割が「不十分だ」と答えた。自民党は今月8日、旧統一教会や関連団体との関係を巡る点検結果を公表。何らかの接点があったと回答した国会議員は179人に上った。自己申告に基づく調査で、公表後も新たに接点が判明する事例が相次いだこともあり、納得していない人が大半となった。

 自民党は安倍氏と旧統一教会との関係についても調査すべきだと思うかとの問いでは、「調査すべきだ」は68%に達し、「調査する必要はない」は24%だった。自民党は安倍氏が死去したため、調査対象としないと説明している。

 安倍氏の国葬の賛否については、「反対」は62%で、前回の53%から9ポイント増えた。「賛成」は27%で、前回(30%)から3ポイント減少した。自民党支持層でも2割超が「反対」だった。「反対」の割合は年代が上がるほど高く、18〜39歳は約5割だが、40〜60代は約6割、70歳以上は約7割に上った。

 岸田文雄首相は今月8日、衆参両院の議院運営委員会の閉会中審査で、改めて実施が妥当だと強調したが、国民の理解は得られていないようだ。

 自民党以外の政党支持率は、日本維新の会13%(前回13%)▽立憲民主党10%(同10%)▽共産党5%(同5%)▽れいわ新選組5%(同4%)▽国民民主党4%(同4%)▽公明党4%(同2%)▽参政党2%(同4%)――などで、「支持政党はない」と答えた無党派層は29%(同25%)だった。

 調査は、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)機能を使う方式と、固定電話で自動音声の質問に答えてもらう方式を組み合わせ、携帯642件・固定422件の有効回答を得た。【伊藤奈々恵】
posted by イズノスケ at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月16日

旧統一教会と自民党報道 週刊新潮と週刊文春

旧統一教会と自民党の関連について毎週週刊誌のスクープが続いています。
特筆しているのが週刊新潮と週刊文春の2誌です。
図書館に行くと週刊誌ではこの2誌を読むことができます。
しかし、オンラインでも週間遅れですが読むこともできます。
両誌とも発売週にはオンラインで読む場合有料ですが、次号が出た時点で無料で読むことができるようです。
そこで、現時点でオンラインで無料で読めるサイトが以下のサイトです。


麻生副総裁、甘利前幹事長の名前も 公安部が作成した親カルト「400人議員名簿」“驚愕”の中身とは

https://www.dailyshincho.jp/article/2022/09140556/?all=1


下村博文元政調会長 統一教会系の陳情を「党公約に必ず入れるように」関連団体幹部が証言《動画入手》

https://bunshun.jp/articles/-/57405

「自民党は旧統一教会とは組織的繋がりは無い」という岸田政権の「嘘」が次々と明らかになり政権を追い詰めています。
各種新聞報道はこれら週刊誌報道の追随になってきています。これからもこれら週刊誌の報道を注目していきましょう。
posted by イズノスケ at 10:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする