現在の日本政界で起こっている様々な出来事を松尾貴史氏は見事に一刀両断しています。
特に以下の「日本国民の飼いならされぶりには目を見張る」は私もいつも思っていることであり、よくぞ言ってくれたと拍手です。
国民や企業が所得から税金や社会保険料をどれだけ払っているかを示す「国民負担率」が50%に近づいている。江戸時代ならば一揆が起きてもおかしくない負担割合なのに、日本国民の飼い慣らされぶりは目を見張る。
先々週、伊豆市議会における公共施設再配置計画で「修善寺老人憩の家」問題を取り上げました。
この施設の温浴施設の廃止について利用者や市民に対した市民説明会で当時の担当部長が約束したことが「虚偽の答弁」だったことは、2023年度6月議会における当局の答弁で明らかになりました。
しかし、この説明会にも多くの伊豆市議会議員が参加していました。しかし、その後の議会ではこの問題を取り上げた議員は私の知っている限りいなかったし、当局に利用者や市民との約束を履行させようとする議員も知りません。当時抗議の声をあげた利用者でも、その後約束を実行させるための行動をされた事実を私は知りません。
次に取り上げようとした天城湯ヶ島支所移転問題でも同じような経過をたどっていますが、これ以上書いても無駄ですからやめます。
伊豆市政における「その場限りの答弁」はこのほかにもたくさんありましたが、伊豆市民は「知ってか、知らずか」ほとんどの方々は無関心です。
松尾貴史氏の言葉を借りれば「伊豆市民の飼いならされぶりには目を見張ります」
2023/6/25 02 毎日新聞 日曜版 松尾貴史の「ちょっと違和感」
岸田首相の不敵な笑み 立場の重さをわかっていないのか
岸田文雄内閣の支持率は、6月17、18の両日に実施した毎日新聞の全国世論調査では1カ月で12ポイントも下落して33%となった。政権が発足した頃は「聞く耳を持つ」と、「これまでの首相と私は違うよ」とでもいうようなニュアンスで語っていた。その後「分配なくして成長なし」と言っていたのが、「成長なくして分配なし」と受け取れるような、まるで正反対のことを言い出した。「所得倍増」についても岸田内閣の閣僚(当時)が「所得が2倍になるわけではない」などと、ドジョウのようにはぐらかしたことも記憶に新しい。
旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と自民党との癒着に関しての調査もうやむや、安倍晋三氏を「国葬」としたことへの国民の納得のいかなさ。さらに、国民や企業が所得から税金や社会保険料をどれだけ払っているかを示す「国民負担率」が50%に近づいている。江戸時代ならば一揆が起きてもおかしくない負担割合なのに、日本国民の飼い慣らされぶりは目を見張る。
防衛増税についても、詳細な説明や丁寧な議論がないまま「骨太の方針」と称して進めようとし、国民の抵抗が大きそうだとなると増税開始時期を「2025年以降に先送りする」と言い出した。「我が国を取り巻く安全保障環境の変化」を口実にしているのに、衆院選で争点になっては不利になってしまうので「先送りする」と判断したのだろう。
国民生活を救うためには予算を使わず、なぜか外国にはばらまいて「世界に認められている日本」を演出するばかりだ。広島で開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、海外の要人たちに十分な視察をさせなかったと思う。広島で開催する意義があったのかどうか首をかしげざるを得ない。
強引なマイナンバーカードの推進と、来年秋の健康保険証の廃止にいたっては、どういうつもりでやっているのか奇怪千万だ。せっかく「うまくいっている」国民皆保険の制度を破壊して、どんな得があるというのか。もちろん、私たちの知らないところで巨額の金が動くのだろうから、岸田首相や自民党、その周辺の政権に近しい人たちには大きな「得」があるのだろうと思うが、国民にとっては嫌がらせ以外の何ものでもない。納税者の多くが反対している天下の愚策を、2兆円(!)もかけて強行しようとしているのは、どう考えてもこの国を破壊しようとしているようにしか見えない。
2兆円もの予算があれば、大学学費の無償化もできたのではないか。少子化対策の財源うんぬんを口実に増税しようとするが、奨学金と、その利息で貧困にあえいでいるのに結婚や出産ができるかという若者が多い中、大学の学費無償化は出生率の向上が見込めるわかりやすい施策だ。それにもかかわらず、とにかく国民から税金を吸い取り、巻き上げる発想しか持たない無能な政権と言わざるを得ない。
入管法の改悪、外遊で息子が公用車で観光した疑惑、当事者団体から逆効果になると批判されている「LGBT理解増進法」、コロナ禍で首相公邸で行った家族親族パーティーと、もう北朝鮮のことを笑えない状態になってきた。
テレビの情報番組は、俳優の浮気については詳細に伝えているのに、週刊誌が報じた、岸田首相の「最側近」という木原誠二内閣官房副長官の不倫問題はまるで無視をしている。それどころか、生放送の討論番組に何事もなかったかのように出演させている。
そして、いわゆる解散風である。6月13日の記者会見で、衆院解散・総選挙の時期について問われた岸田首相は「いつが適切なのか諸般の情勢を総合して判断していく」と、首相が解散するときにそれをもとに判断しないで、どうするのだという無意味な回答をした後、不敵な笑みを見せたのだ。そのせいで「ある放送局」では、政見放送の日取りの調整までもが行われ始めた。私が政見放送の制作担当者でもそうするだろう、スタジオの調整やら、スタッフのシフトやらで混乱するのは必至だ。後から「今国会での解散は考えておりません」と火消しに回ったが、ならば思わせぶりをせずに最初からそう言いなさい。自分の立場の重さがわかっていないのか、想像力というものがないのか。(放送タレント、イラストも)=6月20日執筆