2023年11月30日

市長懇談会で旧天城湯ヶ島支所庁舎などの減譲渡への反対は一人だけだった?

伊豆市議会12月定例会が始まりました。
初日の菊地市長における行政報告は以下のファイルからご覧ください。

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この行政報告の1・市長との懇談会についてをご覧ください。
市長は口頭で次のように付け加えました。

「なお、懇談会の中で天城湯ヶ島支所の減額貸付についても行った結果説明したところ、20か所の懇談会を行った結果、反対の方は1名だけでした」

私も市政懇談会に参加しました。市長の挨拶は10分ほどだったでしょうか。残りは市長と参加市民との質疑応答で1時間ほどで終了しました。
この懇談会の中で減額譲渡について詳しい説明はされなかったと記憶しています。
伊豆市議会で減額譲渡案が可決されたばかりのこの時期に開かれた懇談会でどれだけの市民が減額譲渡の内容を把握していたでしょうか。
市民が鑑定価格1億1千万円の旧天城湯ヶ島支所庁舎等を東京ラスクに1千万円で減額譲渡したことを知ったのは、広報伊豆11月号に掲載された小さな説明文からです。それまでは一切市民に対しての説明はありませんでした。

市民との懇談会は8月から10月までに開催されました。市長は20か所で説明したといいますが、議会で議案が可決された5は9月の下旬です。それでは一体どれだけの説明会で減額譲渡を説明したのでしょうか。

更に、市長は反対意見は1名だけだったといいました。
仮にこの1名が私のことであったならおかしなことになります。
私も参加した懇談会では、私だけが減額譲渡についての説明を求めました。簡単な説明がありましたが、その件についての議論はしていません。
私は議会傍聴をしていましたから、大体の内容は把握していました。しかし議会傍聴では理解できないから直接市長に質問したのです。
私はその場で「反対」とは一言も発していません。
「説明を求める=反対」であるならば伊豆市における発言の自由は無きに等しいと思います。

こうした明白な事実を曲げて平気で議会で述べる、これが伊豆市の菊地市長です。
反対者1名が私のことを指しているのでなければ後日訂正いたします。
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2023年11月29日

伊豆市長選挙 菊地氏出馬意向

11月28日伊豆日日新聞報道によると、伊豆市の菊地市長は任期満了に伴う来年4月の市長選挙に5選を目指して出馬する意向を固め市議会12月定例会で表明するようです。
菊地市長は2008年の市長選挙で初当選し現在に至っています。
市長就任後の2010年に伊豆市の人口は3万4177人(第2次伊豆総合計画)でしたが2023年10月の人口は2万8383人(広報伊豆11月号)と13年間で5734人も減少しています。
                    
人口がこれだけ急減少しているのにかかわらず合併特例債を中心とした大型公共事業などで市債は増大し続け、2023年広報伊豆10月号によれば伊豆市の市債(借金)総額は321億円まで膨れ上がっています。
これを人口で割ると伊豆市の赤ちゃんから高齢者まで一人当たり113万円もの借金を抱えていることになります。

菊地市長誕生から来年4月で4期16年が過ぎ去ります。その間に人口は激減し、借金が膨れ上がった伊豆市が市民にとって暮らし良く、将来に明るい展望が持てるのか、菊地市政16年間に対しての市民の判断が下されます。
今のところ他に立候補の動きは見られませんが、膨大な借金を重ねた伊豆市政を健全な市政に変えていくことに挑戦できるような勇気のある人材が出てくるのでしょうか。

伊豆日日新聞

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2023年11月20日

内閣支持率急落で初の2割台、不支持理由の最多は「政策に期待できない」47%  読売新聞

新聞各社が内閣支持率などの世論調査を行っています。
今回は読売新聞の世論調査の結果です。
読売新聞は自民党に近いとされ、今まで内閣や自民党支持率は他社の世論調査よりずいぶん高い傾向でした。しかし今回の岸田内閣の支持率は前回調査より10ポイントも下落し24%となりました。
同時に発表された毎日新聞では岸田内閣の支持率は21%であり、岸田内閣はすでに危険水域に突入したといわれています。
突然発表された減税案が選挙対策とみなされ、副大臣や政務官が立て続けに3人辞任となれば当然のことであるとは思いますが、この数字は驚きです。
岸田内閣はこの窮地から脱却できるのでしょうか。興味津々です。
それにしても、野党各党の支持率も低空飛行のままです。これも情けないですね。


11/20(月) 読売新聞社

内閣支持率急落で初の2割台、不支持理由の最多は「政策に期待できない」47%


11/20(月) 読売新聞社は17〜19日、全国世論調査を実施した。岸田内閣の支持率は、2021年10月の内閣発足以降最低の24%となり、前回調査(10月13〜15日)の34%から10ポイント下落した。不支持率は62%で、前回調査の49%より13ポイント上昇した。政府の経済対策への不満や政務三役の相次ぐ辞任などが、支持率下落に拍車をかけたとみられる。

 内閣支持率は、自民党が政権復帰した12年12月の第2次安倍内閣発足以降、最も低かった21年9月の菅前内閣の31%を下回り、初めて2割台となった。世論の強い逆風から、岸田首相の求心力は与党内で低下しており、政権運営は危機的な状況に陥りつつある。支持率は今後、自民党議員の政治とカネを巡る問題などでさらに低迷する可能性もある。

物価高への対応を柱とした政府の経済対策を、「評価しない」は66%となり、「評価する」は23%にとどまった。対策に盛り込まれた所得税など4万円の定額減税については「評価する」が29%で、「評価しない」が61%。「評価しない」の理由をみると、「選挙対策に見えるから」(44%)が最も高かった。

また、経済対策が企業の賃上げにつながると「思う」とした人は18%で、「思わない」は74%に上った。岸田首相は来春以降、物価高を上回る賃上げの流れを確かなものとして、それを減税策で後押しし、デフレ脱却につなげて浮揚を図りたい考えだが、当面は難局が続く見通しだ。

 9月の内閣改造以降、政務三役である文部科学政務官や法務副大臣、財務副大臣が相次いで不祥事で辞任した。岸田内閣の政権運営に「影響がある」とした人は、「大いに」(23%)、「ある程度」(45%)を合わせて68%だった。

 岸田首相にどのくらい首相を続けてほしいかの質問に対しては、「自民党総裁の任期が切れる来年9月まで」が52%、「すぐに交代してほしい」が33%、「できるだけ長く」が11%だった。

 岸田内閣を支持しない理由では、「政策に期待できない」が最も多く47%で、「首相が信頼できない」が18%、「首相に指導力がない」が15%などと続いた。

 政党支持率は、自民党が28%(前回調査30%)、日本維新の会が7%(同7%)、立憲民主党が5%(同4%)で、無党派層は48%(同46%)。
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2023年11月16日

住民監査請求とはどのような制度でしょうか  伊豆市民から提出された住民監査請求 その2

先回、伊豆市青羽根在住の土屋通夫氏から伊豆市監査委員に対し、旧天城湯ヶ島支所庁舎等の減額売却は法律違反に当たるとして住民監査請求書が伊豆市監査委員あてに提出されました。
住民監査請求とはどんな制度なのか、知らない方が多いと思いますので総務省から出されている手引書を紹介いたします。


住民監査請求・住民訴訟制度について

1 制度の意義
住民からの請求に基づいて、地方公共団体の執行機関又は職員の行う違法・不当な行為又は怠る事実の発生を防止し、又はこれらによって生じる損害の賠償等を求めることを通じて、地方公共団体の財務の適正を確保し、住民全体の利益を保護することを目的とする制度
・住民訴訟は、「地方自治の本旨に基づく住民参政の一環として・・・裁判所に請求する権能を与え、もって地方財務行政の適正な運営を確保することを目的としたもの」。「地方公共団体の構成員である住民全体の利益を保障するために法律によって特別に認められた参政権の一種であり、その訴訟の原告は、・・・住民全体の利益のために、いわば公益の代表者として地方財務行政の適正化を主張するもの」(最判昭和53年3月30日)
・住民訴訟制度を「設けるか否かは立法政策の問題であって、これを設けないからとて、地方自治の本旨に反すると
はいえない」(最判昭和34年7月20日)

住民監査請求制度の概要(1)

1 住民監査請求とは
地方公共団体の住民が当該団体の執行機関又は職員の違法又は不当な財務会計上の行為又は怠る事実について、これを予防し又は是正することで、住民全体の利益を守ることを目的とする制度。請求をできる者は、法律上行為能力を認められている限り、自然人でも法人でも可能。1人で
あってもよい。

2 監査請求の対象(法第242条第1項)


当該普通地方公共団体の長、委員会、委員又は職員による違法・不当な財務会計上の行為又は財務に関する「怠る事実」。
@ 公金の支出
A 財産の取得・管理・処分
B 契約の締結・履行
C 債務その他の義務の負担
D 公金の賦課・徴収を怠る事実又は財産の管理を怠る事実
※@〜Cは当該行為がなされることが相当な確実性をもって予測される場合を含む
○ 住民監査請求制度(自治法(以下、「法」という。)第242条)〜監査請求前置主義〜

3 監査請求の内容(法第242条第1項)


@ 当該行為を防止し、又は是正すること
A 当該怠る事実を改めること
B 当該行為・怠る事実によって当該普通地方公共団体が被った損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。住民監査請求制度の概要(2)

4 監査請求の期間(法第242条第2項)

住民監査請求は、当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過したときは、これをすることができない。
ただし、請求がこの期間内にできなかったことに正当な理由があるときは認められる。

5 監査委員による監査・勧告等


(1)監査の請求があった場合、60日以内に監査を行い

@ 請求に理由がないと認めるときは、理由を付してその旨を請求人に通知し、公表する。
A 請求に理由があると認めるときは、当該普通地方公共団体の議会、長、その他の執行機関又は職員に対し、期間を示して必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、勧告の内容を請求人に通知し、公表する。勧告を受けた者は、当該勧告に示された期間内に必要な措置を講じ、その旨を監査委員に通知するとともに、監査委員は通知に係る事項を請求人に通知し、公表する(法第242条第4項、第5項、第9項)。
(2)暫定的な停止勧告制度
監査委員は、以下の要件を全て満たす場合、理由を付して勧告等の手続が終了するまでの間当該
行為を停止すべきことを勧告することができる(法第242条第3項)。
・当該行為が違法であると思料するに足りる相当な理由があると認めるとき
・当該行為により当該団体に生ずる回復の困難な損害を避けるため緊急の必要があると認めるとき
・当該行為を停止することによって人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがないと認めるとき

https://www.soumu.go.jp/main_content/000071219.pdf
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2023年11月14日

伊豆市民から伊豆市監査委員に提出された住民監査請求書(伊豆市職員措置請求書) その1

伊豆市青羽根在住土屋通夫氏は11月10日、伊豆市監査委員事務局に住民監査請求書(伊豆市職員措置請求書)を提出しました。
伊豆市長は旧天城湯ヶ島支所庁舎他3棟の建物を(株)グランバーに、鑑定評価額1億1.072万6千円を税込み1.100万円で売却するため、令和5年8月28日付けで、伊豆市議会に対し「議案第68号 財産の減額譲渡について」の議案書を提出し、伊豆市議会は同議案に対し、9月22日に賛成多数で可決しました。
その結果伊豆市は、令和5年8月18日に(株)グランバーと譲渡物件の売買仮契約を締結しました。
さらに、9月22日に収入調停がなされ、伊豆市は(株)グランバーから10月6日までに計1.100万円を収納しました。

土屋氏は、これらの一連の行為は、地方j自治法第234条第2項及び同施行令164条の2においては契約方法、地方自治法第237条第2項においては、減額譲渡について計2点、明確に違反しているとして、監査委員に対し以下のように求めました。
監査委員は、伊豆市長に対して、本件建物の鑑定評価額1億1.072万6千円と譲渡額1.000万円(税抜き)との差額について、菊地豊市長に損害賠償を行わせるなど、必要な措置を講じるように勧告を求める」

以下は、土屋道夫氏が提出した住民監査請求書(伊豆市職員措置請求書)の全文です。

伊豆市職員措置請求書

伊豆市長に関する措置請求の要旨

1 請求の要旨

第1 旧天城湯ヶ島支所の減額譲渡について
 伊豆市長は、旧天城湯ヶ島支所庁舎外3棟の建物(以下「譲渡物件」と言う)を(株)グランバーに、鑑定評価額1億1,072万6千円を税込み1,100万円で売却するため、令和5年8月28日付で、伊豆市議会に対し「議案第68号 財産の減額譲渡について」の議案を提出した。
 同議案に対し伊豆市議会は、9月22日に賛成10、反対5の賛成多数で可決した。

第2 財務会計上の違法行為   
 伊豆市は、(有)田中不動産鑑定所に譲渡物件の不動産鑑定評価を依頼し、令和5年3月20日に同鑑定評価書を取得した。
 令和5年3月29日に伊豆市担当課長外2名と(株)グランバー(東京ラスク)会長外1名が譲渡物権の売買等について協議し、伊豆市側は鑑定評価額110,726千円を建物売却希望価格として提示した。
 令和5年8月4日、4回目の協議を行い、建物売却額は、110,726千円から100,726千円を減額して、適正価格の約11分の1の1,000万円(税抜き)とすることに双方合意した。
 その結果伊豆市は、令和5年8月18日に(株)グランバーと譲渡物権の売買仮契約(1社随意契約)を締結した。
 さらに、9月22日に収入調定がなされ、伊豆市は(株)グランバーから10月6日までに計1,100万円を収納した。

これらの一連の行為は、地方自治法(以下『法』という。)第234条第2項並びに同施行令167条の2及び法第237条第2項においては、契約方法と減額譲渡について計2点、                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            明確に違反している。

 1点目の契約方法の法違反について申し述べると、売買、貸借、請負その他の契約を随意契約で締結するときは、法第234条第2項及び同施行令167条の2で定めてあるとおり、九つの要件に該当する場合に限られている。
 即ち、九つの要件を列挙すると次のとおりである。
@ 契約の予定価格が一定額を超えないものをするとき(小額随契)
A 契約の性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき(不適条項)
B 障害者、高齢者、母子関連の一定の契約をするとき
C 新商品の生産により新たな事業分野の開拓を図る者が、新商品をして生産する物品を買い入れる一定の契約をするとき
D 緊急の必要により競争入札に付することができないとき
E 競争入札に付することが不利と認められるとき(不利条項)
F 時価に比して著しく有利な価格で、契約を締結することができる見込みのあるとき
G 競争入札に付し入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がないとき(入札後随意契約)
H 落札者が契約を締結しないとき

 本件の随意契約については、今まで見てきた九つの要件にいずれも該当しないことは、誰が見ても明らかである。
 普通地方公共団体の行う契約事務の執行は、公正をもって第一義として、機会均等の理念に最も適合し、かつ経済性を確保しなければならない。
 本契約は、これらの観点から著しくかけ離れており、市民の市の契約事務への信頼は、地に落ちたというべきである。

 2点目について、地方公共団体の財産を適正な対価なくして譲渡することは、法第237条第2項により原則として禁止されている。
 これは、財産を無償又は特に低廉な価格で譲渡することは、財政運営上の多大の損失を被り、財政破綻の原因となるのみならず、特定の者の利益のために運営が歪められることとなり、ひいては住民の負担を増嵩させ、地方自治を阻害する結果となるためである。
 ただし、この原則に対しては、条例又は議会の議決があれば解除される。
 もとより条例又は議会の議決により禁止を解除することは、必要最小限度において行わなければならない。

 旧自治省が示した『市財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例』の条例準則では、適正な対価によらない普通財産の譲渡または貸付けは、他の地方公共団体等において、公用等に供する場合及び寄付に係る行政財産の用途を廃止したことにより生じた普通財産を、当該寄付者等に譲渡する場合等に限定するものとしている。
 減額譲渡において、議会の議決にかからしめるのは、一般的な取り扱いができないものあるいは、住民の福祉にかかる特別な理由が存するものに限るのが、立法趣旨であると思料する。

 今回の減額譲渡は、その減額しなければならない理由が一般的なものであり、住民の福祉につながる特例的なものとは到底認められない。

 即ち菊地豊市長は、令和5年8月28日に開催された伊豆市議会本会議において、議案第68号「財産の減額譲渡について」の提案理由として次のように説明している。
 「現在東京ラスクに貸し出している旧天城湯ヶ島支所建物について減額譲渡するために、地方自治法第96条第1第6号の規定により議会の議決をお願いするものである。
 東京ラスクの事業活用については、平成22年の減額貸付け以降、湯ヶ島地区の活性化に寄与するものとして、東京ラスクと協議を重ねてきた。
 市としては、施設の経年劣化による将来にわたる財政的及び人的負担や、公共施設再配置計画による公共施設の適正化を、スピード感を持って実行することを考慮したとき、減額しても譲渡するほうが公益にかなうものとする。」

 また、市議会本会議に先立つ8月24日に行われた市議会全員協議会において、当局側は、減額譲渡(売却)の理由として次のように説明している。
○ 東京ラスクは、平成22年に市が企業誘致した事業者であり、当初から土地・建物について減額による賃貸借を行っていた。
○ 地域の賑わいと活性化に貢献している同社が、更なる事業拡張のため設備投資を行う中で建物の取得を望んでいる。
○ 現有建物の劣化により将来的に損耗箇所の補修等が見込まれ、鑑定評価額(適正対価)を減額してでも、相手側が取得意思のあるこの機会   を逃さずに譲渡することが、市の人的、財政的負担軽減につながる。
○ 本件は、公共施設再配置計画にある「施設の民間譲渡を含めた整理・統合を推進」の基本方針に合致する。
   
 さらに当局側の説明では、伊豆市と(株)DAIKICHIなる会社とで、旧天城湯ヶ島支所の土地建物を市が同社に売却することを前提とした覚書を、平成30年2月14日に締結したとし、このことをもって本件減額譲渡及び随意契約の理由の一つとしているが、このような覚書には、何ら法的根拠はない。

市民の大切な財産を1社随意契約による大幅な減額譲渡する当局側の理由は、まさに月並みなもので、住民の福祉にかかる特別な理由は何ひとつ存在しないのに、議会にあえて諮るような案件ではない。
 当該譲渡物件の適正価格と売却価格を比較すると約11倍の差があり、しかも市長は、この減額の積算根拠を市民及び市議会に全く示していない。
このことは、市政を執行する上で根本的な欠陥である。

 伊豆市が発行している「広報伊豆・令和5年10月号」では、市の借金総額が321億円であると公表しているが、伊豆市人口28,000人で割ると、市民1人あたり約114万円の借金を背負っていることになり、今回の減額譲渡は、市の財政上大きな損失をもたらすものであり、市民にとって許されざる行為である。
 なお、冒頭市議会の審議について述べたが、市議会の議決があったからといって、法令上違法な行為が適法になるわけではないのは論を待たない。
(最高裁判例昭和37・3・7)

第3 結語
 以上により、監査委員は、伊豆市長に対して、本件建物の鑑定評価額1億1,072万6千円と譲渡額1,000万円(税抜き)との差額について、菊地豊市長に損害賠償を行なわせるなど、必要な措置を講じるように勧告することを求める。

2 請求者 
住所 伊豆市青羽根27番地の1
職業 自営業
氏名 土屋 通夫
                            
地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添え、必要な措置を請求します。
令和5年11月10日

伊豆市監査委員様


【事実証明書】
@ 議案第68号 財産の減額譲渡について(令和5年9月定例議会)
A 市議会全員協議会資料(令和5年8月24日)
B 8月24日全員協議会追加資料(令和5年8月29日)
C 令和5年9月定例議会市長提案理由要旨
D 伊豆市と(株)グランバー(東京ラスク)との打合せ記録
E 旧天城湯ヶ島支所建物不動産鑑定評価書
F 当該物件売買仮契約書締結にかかる決裁書
G 伊豆市と(株)DAIKICHIとの覚書
H 当該譲渡にかかる調定伝票
I 同納入済通知書






posted by イズノスケ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 伊豆市政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする