平成21年12月議会において「土肥地区」小学校再編に関する条例・議案120号「伊豆市立学校設置条例の一部改正について」が審議され賛成多数で可決し、土肥小学校が決定されました。
市議会での賛成討論・反対討論の一部を紹介します。長いですが興味ある方は読んでみてください。小学校の再編問題でどのような議論がされているのかを理解できると思います。
○12番(森 良雄君) 12番、森良雄です。
議案第120号 伊豆市立学校設置条例の一部改正について反対討論させていただきます。
この条例は、伊豆市の小学校の統廃合の始まりです。小学校の統廃合について、十分な議論がなされたでしょうか。そもそも統廃合の目的は何なのですか。子供たちの教育をどうするかという問題ではありませんか。古くなった学校施設をどうするか。どうやって改良していくか。これが小学校の統廃合の目的のはずです。
今、私たちの統廃合が十分に議論され、このような目的が一つ一つクリアされているのでしょうか。なぜ子供たちに教育が必要なんですか。主目的は学力の向上なんです。そのための施設の改良なんです。各地で論議されているのは、10人や20人学級よりも35人学級のほうがいいんだ。どこにそんな議論をしているところがあるんですか。伊豆市だけです。人に物を教えるときの適正規模は10人から25人が適正である。本来だったらもっと少ないほうがいいんです。議員の皆さん、皆さんは少なくとも社会で先輩のはずです。もし、部下を教育するんだったら5人か10人程度のグループで教育するのではありませんか。35人学級で教育ができますか。小学校だったらもっと大変なんですよ。レベルがばらばらでしょう。そういう人たちを教育するには少人数学級に限るんです。究極はマンツーマンですよ、教育は。皆さん、パソコン教室行ったことありますか。いい教室は一人一人先生がついてくれる。レベの違う人を教えるにはそれしかないんです。市長、あなたは市単で加配の教員をつけるとおっしゃっておりますが、それならなぜ複式学級が行われるときつけてやらないんですか。統合してからつける。そんな論理が成り立つんでしょうか。
少なくともこの条例は、これから始まるであろう伊豆市の小学校の統廃合の先鞭をつけるものなのです。我々は本来もっともっと論議しなければならないはずです。あの老朽化した土肥小学校の建物はそのまま使う、ペンキで上塗りしただけでそのまま使う、それでよろしいんですか。予測すれば、これから10年、20年、伊豆市は小学校の建てかえに必要な予算を捻出するような余力はなくなるはずです。本当に合併するんだったら、小学校の建てかえぐらい考えるべきです。我々はそれすら見過ごしている。
市長、あなたはよく地区の皆さんの意見を聞くとおっしゃっておりますが、本当に地区の皆さんの意見を聞きましたか。どこの地区に自分の地区にある小学校の廃校を望む父兄がいるんですか。あなたにはそういう声は届いていないのです。これからも届かないでしょう。
天城の温泉会館の皆さんの声を聞くのも大切ですが、小学校の統廃合は伊豆市全域の地区の皆さんの声を聞いていただきたい。議員の皆さん、皆さんは跡地利用ができると考えているようですが、今でさえ衰退している伊豆市で、小学校の廃校を認めざるを得ない地区で、今後どんな有効な利用方法が考えつきますか。学校があることによって、なぜにぎわいが発生するんですか。入学式や卒業式もにぎわいの一つです。運動会に至っては、大きな地域のイベントなのです。廃校を認めたところはそのようなイベントはもう行われません。にぎわいはなくなるのです。それにかわるにぎわいを皆さんは考えつきますか。そのようなものはありません。
我々は、小学校の統廃合についてはもっともっと真剣に、伊豆市の未来を考えて論議すべきです。伊豆市の未来を考えるなら、住むなら伊豆市だ、子育てするなら伊豆市だと言えるようなまちづくりが必要です。我々は今、伊豆市の教育を破壊しようとしている。市長、教育長、あなた方はデストロイヤーにならないように気をつけていただきたい。議員の皆さん、伊豆市の未来を考えるなら、住むなら伊豆市だ、子育てするなら伊豆市だと言えるようなまちづくりを一緒に、真剣に考えませんか。
反対討論を終わります。
○議長(飯田宣夫君) 次に、賛成討論を行います。
20番、木村建一議員。
〔20番 木村建一君登壇〕
○20番(木村建一君) 議案第120号、土肥地区の2つの小学校を1つにしたいという提案でありますから、賛成討論を行います。私は、学校再編成について、どんな子供を育てたいとしているのかと同時に、将来どんな伊豆市を目指すのか、どんな地域をつくろうとしているのかという観点からも注目し、この1年以上になると思いますけれども、議会で、とにかく一般質問でずっと教育長また市長と議論を交わしてきました。
学校再編成、統廃合、何が何でも反対という立場はとっておりません。教育委員会の方針に批判的立場で臨んだ1年間でしたから、そんなことないだろう、木村反対ととらえていることでしょうが、私は、教育委員会が言う再編成の必要性には批判的立場であるというスタンスは今でも変わりません。
しかしながら、土肥地区の方は、何回かの準備委員会の会合の中で再編成を選択をいたしました。その意向は尊重しなければならないと思います。土肥地区の第1回学校再編成準備会で教育長は、一緒になってよかった、伊豆市のモデルケースとなるような再編成にしたいとあいさつをされました。今回の議題になっていませんから詳細は触れませんが、教育委員会の学校再編成のスケジュールをこなせばいいという姿勢で土肥小学校がモデルケースとなるんでしょうか。中伊豆地区は既に挙げられておりますけれども、再編成の。旧町時代には、それぞれの町で学校の再編成、統合はありましたが、社会的状況や教育方針や教育環境も、当時とは当然今違います。伊豆市で初めてのモデルケースが土肥地区から始まります。来年から始まります。
これなら我が子の教育を任せられるとか、伊豆市の教育はよくなりそうだと言えるような事実を市民の皆さんがしっかりとわかること。教育委員会が言う再編成のメリットとデメリットを実践の中で検証してこそ、私はモデルケースとなるというふうに思います。
市民、とりわけ土肥地区の方々がさんざんこの期間論議をしてきたと思うんですけれども、土肥地区の方が児童たちに願う熱い思いをしっかりと受けとめた学校づくりを、当然私は願いますので、そのあたりも十分に教育委員会はしかるべき方針を持って対処するように求めて賛成討論を終わります。
○議長(飯田宣夫君) 次に、反対討論を行います。
6番、西島信也議員。
〔6番 西島信也君登壇〕
○6番(西島信也君) 6番、西島信也です。
私は、本議案に反対の立場から討論を行います。
市長は、10人のクラスは子供たちが犠牲になっており、30人なら最適の教育環境だと言っております。それなら、20人はどうだと聞いたところ、それは学校再編の議論とは関係ないと言いまして、あげくの果ては教育委員会が決めたことだと、自分は知らないと言う始末です。全くもって無責任、責任転嫁をしているじゃないかというふうに思えるわけでございます。
私が、20人はどうかと聞いたのは、土肥の場合、2つの小学校が来年度合併すれば、児童数は全校で159人、1クラスの平均児童数26.5人。しかるに、4年後は児童数が116人、1クラス平均19人になるわけです。この現実をどうするのかということを聞きたいわけなんです。
しかるに、このことに対して教育委員会、市当局は何のビジョンも持っていない。教育長は、小規模校の子供たちは生きる力が弱いと、こう力説しております。しかし、土肥は離れているから特別であると、こう言っているわけですね。何が特別かわかりませんが、小規模校が悪いのなら、なぜこれを是正しようとしないんですか。小規模校が悪いというのは本当は真っ赤なうそで、小規模校のほうがすぐれているのではありませんか。教育長は、経験豊かな立派な教育者ですから、圧力に屈せず、いいかげんに本当のことを言ったらいかがかなと、こう思うわけであります。
私は、この学校再編計画には大きなうそがあると思っています。子供たちのためにと言っていながら、来年度、土肥への教職員の加配は1名ですか、これは法律で決まっているようですけれども、とにかく1名しかふえない。土肥南小がなくなることによって、土肥から先生が約10人減るわけなんです。1人ふえて10人減る。どういう計算が子供たちのためになるんですか。また、校舎はせいぜいペンキを塗るぐらいで、お茶を濁している。市長は日本一の教育環境を目指すと、こう言っておりましたが、ほとんど寝言程度にしか聞こえません。
また市長は、政治には哲学が必要だと言っておりましたが、どういう哲学をお持ちなのか、今度聞いてみたいと思っております。
ともあれ、学校再編の再編計画の皮切りとして、土肥の小学校の合併議案がここに出てきたわけですけれども、学校再編の哲学が何も見えてこない。哲学とまでは言わないにしても、再編の由の整合性が全くない。人口減少問題もしかりであります。いろいろ問題が多過ぎます。私は、本議案について可決すべきではないと判断いたします。
以上、反対討論を終わります。
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