鎌田實さんは医師であり作家でもあります。毎日新聞に連載している文はとてもわかりやすく、やさいしい人柄がかもし出され出され私は大好きです。。
20世紀の精神医学の巨人と言われたフロイトは、人間がなすべきことは「愛することと、働くこと」と言っていいる。でも今の日本は両方共ピンチだ。
失業率は少し改善されているといえ、解雇や退職勧奨の相談件数は5大都市で年間2万4800件と増えている。無茶なリストラをされている人たちがいるということだ。
一方、国立社会保障・人口問題研究所の調査では、交際している異性がいない割合が男性は6割を超え、女性はほぼ半数に達した。いい仕事がないことがハードルになり、多くの若者が結婚を諦めている。
今年2月の生活保護受給者は209万人を超えて過去最高。支給総額は3兆7000億円を超えようとしている。
働きたいと思う人が働けて、生活保護から脱することができれば、その人はどんなに嬉しいことだろう。非正規雇用でなく、安定した仕事が見つかった若者が、好きな人と結婚して子供を産み、家を建てる。内需が増えて、景気も回復する。税金をほかのことに回せるようになれば、国民全体にとっても嬉しいことに違いない。だから雇用の拡大が大事なのだ。
日本には魅力的な会社がいっぱいある。資本主義社会だからといて、相手を打ちのめして自分が勝つことばかり考えるのでなく、障害者の雇用を考えたり、利益を社会に還元することを忘れない会社がある。
漢方薬のツムラは、破産した北海道夕張市に工場を作り、雇用を拡大した。ヤマト運輸は以前から、障害者の雇用拡大に向け、財団を作って「スワンベーカリー」というパン屋さんを全国に展開している。東日本大震災の後には、被災地に140億円の寄付をした。
心ある会社は、非正規雇用や外国への工場移転でコストを削減することを考えず、国内で雇用を拡大しながら、内需を喚起しようとしているのだ。
ネガティブに考えてはいけない。秋から景気は良くなる。ヨーロッパが不安定で、円高が進んでいるが、日本の1〜3月期の実質成長率は年換算で4.1%となり、対外純資産は253兆円と増えている。企業の業績も回復傾向にあり、内部留保は200兆円、個人の資産も1470兆円もある。この1割でも使われれば、一気に日本の景気は良くなるはずだ。
震災復興予算12兆円も、これから使われる。「あたたかな資本主義」が広がってい行くチャンスだ。日本中の景気を良くして、東日本を復興させたい。
日本の景気が回復するのか? バブル崩壊時を上回る株価の下落や円高のさらなる進行、避けられそうもない消費税の引きあげなどを見ると疑問がのこりますが、悲観的観測ばかりではやりきれません。
こうした明るい展望を持った記事を見るとほっとすることもあるのです。
2012年06月06日
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