6月25日・26日に「福島の子供を救いたい」と加藤登紀子さんと鎌田實さんがCDを発売したということを紹介いたしました。
http://iizusiseirepo-to.seesaa.net/article/277135180.html?1342227759
http://iizusiseirepo-to.seesaa.net/article/277273280.html?1342227968
最近、この記事へのアクセスが増えています。
大飯原発は国民の多くの反対の声を無視し、再稼働してしまいました。
経済が何にもまして優先してしまう社会。
そんな社会をもう一度見直してみようと加藤登紀子と鎌田實さんはさんは訴えています。
CDの中から「スマイル・レボリューション」という曲の詩を紹介いたします。
素晴らしいCDです。たくさんの方々に聴いいてもらいたいと思います。
ギリシャの映画作家テオ・アングロプロスの映画に「こうのとり、たちずさんで」という作品があった。
アルメニアとギリシャの国境に川があり、そこに橋がかかっている。アルメニアからギリシャヘ来てしまった難民たちはその橋に立ちずさみ、故郷へ帰ることを夢みる。
何度も足を上げてみるが、 一歩を踏み出せば、どこからか鉄砲の玉が飛んでくることを知っている。
愛しい故郷はすぐそこにあるのに、恋しい人たちがすぐそこにいるのに、橋を渡ることができない。だからいつまでも片足で立ちすくんだままでいる、という痛切な物語だった。
2011年3月20日
東日本における地震、津波、そして原発事故という大惨事を突き付けられた。
それからの日々。次々と見えて来たのは原発への恐怖と放射能汚染の中で生きる困難さ。
何とかこの危険な原発を止めて日本を創り変えなければいけないことが、はっきりとわかって来た。けれど、まるでこのコウノトリのようになかなか一歩が進まない。
橋のこちら側は、地震帯の上に54基もの原発を抱え、いわば21世紀人類の繁栄と危機を暗示するジュラシックパークだ。
橋のむこうは、数十年前までの穏やかなまだ土の匂いのする日本。
電気製品はもう十分あったが、原発はなかった。
豊かな地層の中には、長い年月の間、自然との調和を目指した営みの跡がまだ残っている。
今、こちら側の橋のたもとで、片足を上げたまま立ちずさんでいる私たち。橋を渡ることへの不安は一体どこから来るのだろう。
確かに社会の仕組みの中から外れるという事には大きな勇気がいるし、社会を転換させるには大きなエネルギーがいる。
けれど、片足を下ろし一歩踏み出しても、ここには鉄砲の玉が飛んでくるわけじゃない。
だから、一度この橋をわたってみたらどうだろう。
私たちは何を夢見ていたのだったか。どこに問題があったのか、この数十年の間に何を得て、何を失ったのか。もう一度来た道をたどってみよう。そして未来へのまっとうなシナリオを探してみよう。
生きることがどこかで破壊や破減につながるのではなく、生きることが限りない喜びにつながる生き方を見つけたい。生きることに素直に向き合い、生きる喜びに真剣に取り組み、ほほえみを持って輝いて生きることで世界を変えていきたい。それが「スマイルレボリューション」だ。
どんなに時代が変わっても、残されていくひとつの謎がある。人はどうしてこんなにもたくさんのものを求め、傷つけてしまうのだろうか。
(白水社版「スマイル・レボリューション」より
2012年07月14日
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