伊豆地区の16クラブが所属するライオンズクラブは21日、天城山系の環境を守ることを目的とした講演会を伊豆市民ホールで開催しました。
県自然保護課の渡辺さんは「伊豆地域におけるニホンジカの捕獲の取り組みで生息数がピーク時の6割ほどに減少している」と語りました。
天城ブナを語る会代表の山口さんは「天城山の森林生態系の将来像を展望する」をテーマに講演しました」
天城山には天城シャクナゲなどの希少な固有種がみられる一方、シカの食害や、登山客の増加などによる影響で天城山系は荒れ果てていることを過去の写真と現在の写真を見比べて説明しました。天城山系の荒廃は伊豆半島の自然災害の危険性を増大するとともに、天城山系からの栄養豊富な水により豊かな漁場を培っている伊豆半島の漁業にも大きな影響を及ぼしてきている」と危機感を語りました。
登山を趣味としてきた私は、天城山系も数えきれないほど登りましたから山口さんの言われていたことはよく理解できました。
日本百名山として有名な天城山には全国からたくさんの登山者が訪れているのに、どうして登山道が荒れるに任せているのだろうと疑問に思っていたことが今回の講演会で解けました。
天城山を所管する環境省は荒れ果てた山系を修復する予算がないために、自然保護団体が危険な個所を指摘してもほとんど修理してもらえない。してもらえることは危険個所にロープを張って入らないようにするだけだ。また、現在、は山口さんたちのように自然を守ろうと活動している団体が天城山系を守る活動を禁止しているため、手も足も出ない状況に陥っている、とのことです。
伊豆半島の80%ほどを占める山林が荒廃しきっている状況では、2035年までには確実に発生するという南海トラフ巨大地震において甚大な被害が発生するだろうことは、能登半島の地震を見ても容易に想像できます。
軍事費を今後5年間で40兆円も使う事よりも、私たちの生活する基盤整備や山林保護に使うお金を増やすことで大地震発生における被害を減らし、結果として復興費を減少できるのではないかと思います。
大自然に囲まれている生活している私たちこそがこうした状況に危機感をもち、政府や自治体に自然保護を守るための政策の策定を訴えていくことが大切ではないでしょうか。
2月22日 伊豆日日新聞
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2024年02月23日
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