2024年10月17日

人口2万8千人の伊豆市財政・300億円超の市債(借金) 検証・伊豆市議会の「行政のチェック機能」の放棄 その5

今まで4回にわたり伊豆市議会の検証を行ってきました。今回の「人口2万8千人の伊豆市財政・300億円超の市債(借金)」が最終回です。 

 
 旧4町の合併により誕生した伊豆市。菊地豊氏が市長になってから合併特例債(限度額約170億円)等の利用による大型公共事業建設が始まりました。合併特例債は使い道が限定されています。それは「公共の建物を建設」する場合に使用できます。その内容は総事業費の5%が伊豆市負担であり、その5%を除いた額の70%が後日に地方交付金としても還付され、残りの30%が伊豆市の負担となる仕組みです。菊地市長は「有利な借金だ「」と言いますが「借金」には違いなく、人口が激減している伊豆市にとって、これからの世代に大きな負担となってきています。


 菊地市長はこの合併特例債等を使用して大規模な公共建物を次々と建設してきました。
主要な事業は以下のようです。 
 1・伊豆箱根鉄道・修善寺駅改築工事(ほとんどの金額を伊豆市負担) 
2・伊豆市佐野に建設した一般廃棄物処理施設(伊豆の国市と共同)
 3・修善寺こども園、修善寺東こども園などの建設 
4・天城湯ヶ島支所、図書館等の移転のための旧天城小学校、旧天城幼稚園の改築工事 
5・日向地区に市内3中学校等統合による新中学の建設  
6・新中学校隣接する日向地区に広域避難所及び関連施設と大規模公園建設 
7・旧一般廃棄物処理施設跡にリサイクルセンターの建設 
8・伊豆箱根鉄道 牧之郷駅の改築と駐車場などの周辺整備
9 .土肥地区に建設された松原公園津波避難複合施設

大型公共事業推進のため伊豆市は合併特例債はすべて使いきってしまったため、さらに別の借金も増やしています。その結果、伊豆市の市債(借金)は一般会計と特別会計の合計で300億円を超えてしまいました。人口2万8千人ほどの小さな自治体がこれほどの大規模な借金をしている自治体がほかにあるのでしょうか。

 菊地市長は就任以来伊豆市の土木・建設中心の市政運営を強力に進めてきました。そして菊地市長と共に土建市政を支えてきたのが「伊豆市議会」です。こうした大型公共事業は人口の小さな伊豆市にとって「身の丈に合わない過大投資」であったと私は思います。  

しかし、自民党を中心とした会派・「伊豆未来」はことごとく先に挙げた大型公共事業に賛成してきました。まさしく、車の両輪のごとく借金まみれの伊豆市を作り上げてきたのです。市議会の主な役割は「行政のチェック機能」です。それが放棄されてきたのです。  

 財政破綻で有名な北海道の夕張市。炭鉱が閉鎖し人口が減少し、主要産業がない中で、国の補助金を使って観光産業に明日を託した夕張市でしたが、あまりにも使われない施設を作りすぎ放漫経営になって借金が353億円に膨らみ、それを粉飾決算でごまかしていたのが破綻の原因のようです。伊豆市と夕張市とは諸条件が違うので一概に比べられないかもしれませんが、小さな自治体が300億円もの借金を抱えている事実は同じです。全く関係がないと誰が言いきれるでしょうか。 

将来さらに人口減少が続き、伊豆市は2万人前後になると予測がされています。「伊豆市財政は健全で安全である」と言い切ってきた菊地市長、さらにそれを支持してきた伊豆市議会。
 今行われている市議会議員選挙でも、自民党中心の会派・「伊豆未来」の候補者などの現職は全員当選であろうと予測されています。公明党新人候補者も安泰でしょう。そうなると残りの2議席には菊地市長べったりの議員ではなく、菊地市政を「チェックできる議員」の当選が無ければ伊豆市議会の形骸化はさらに進みます。 

 伊豆市議選も残り3日となりました。期日前投票も行われていますが低調のようです。今後の伊豆市政と伊豆市議会、そして市民生活に大きな影響を及ぼす市議会議員選挙には是非とも投票に行きましょう。
 「伊豆市の主権者は市民です」そして皆さんの選択こそが伊豆市の将来を左右するのです。
posted by イズノスケ at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 伊豆市議会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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