先回の当ブログで伊豆市の令和7年度以降の課題を上げました。その2は健全化判断比率の悪化でした。
2・健全化判断比率の悪化
大型事業の財源として借り入れた地方債の元金償却が本格化し、実質公債費比率や将来負担比率などの財政健全化比率が悪化しました。改善に向けて市債残高を減少していくためには、償還額以上の借入は厳禁です。
それでは具体的な数値を伊豆市財政シミュレーションから見ていきましょう。
伊豆市の財政シミュレーションによる公債費と市税の推移
公債費 市税 市税に対する公債費の割合
令和5年度 18.5億円 40.7億円 45.4%
令和6年度 19.4億円 39.8億円 48.7%
令和7年度 21.5億円 39.4億円 54.5%
令和8年度 24.7億円 39.1億円 63.1%
令和9年度 27.7億円 38.1億円 72.7%
令和10年度 29.1億円 37.8億円 76.9%
※市税とは
個人市民税 法人市民税 固定資産税 たばこ税 入湯税などで令和4年当初予算を基準として、人口減少などを反映させている
この推移を見ると公債費は右肩上がりであり、市税は右肩下がりであることが分かります。令和10年に至っては市税の76.9%もの巨額な金額が借金返済のために充てられることになります。
いかに大きな金額かお判りいただけると思います。この公債費の激増が市民生活命と暮らしを守るための施策の削減につながっていくことは目に見えている思います。市民の皆さんはどのように思われますか?
次に伊豆市の財政シミュレーションによる財政指標の見通しです。
〇財政の健全性を測る指標のうち、実質公債費率及び将来負担比率において、国の示す早期健全化基準を下回ります。
・将来負担比率(早期健全化基準 350.0)
借入金や債務負担行為等、市が将来実質的に負担する負債を標準財政規模に対する割合で示したものです。
・実質公債費比率(早期健全化基準 25.0)
公債費に加え、公営企業等への繰り出し金や一部組合への補助金のうち公債費に準ずるものを含めた実質的な公債費を標準財政規模に対する割合です。
伊豆市将来負担比率(基準350.0) 伊豆市実質公債費比率(基準25.0)
令和5年度 75.0 7.2
令和6年度 85.8 7.8
令和7年度 93.8 8.8
令和8年度 110.6 9.4
令和9年度 115.5 10.5
令和10年度 117.3 11.9
それでは財政破綻が明らかになった北海道北見市の両指標を見てみましょう。
北見市将来負担率(基準350.0) 北見市実質公債費率(基準25.0)
令和元年度 9.8
令和2年度 10.4
令和3年度 10.9
令和4年度 12.1
令和5年度 147.8 12.4
国の基準が合理的な数値なら北見市の財政破綻の説明がつかないと思います
「財政の健全性を測る指標のうち、実質公債費率及び将来負担比率において、国の示す早期健全化基準を下回るから伊豆市の財政は健全である」と菊地市長は議会で強調してきました。
しかし、北見市の指標をと比べてみたときに伊豆市の財政は健全であると堂々と説明ができるでしょうか。。
2025年05月02日
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