2023年11月30日

市長懇談会で旧天城湯ヶ島支所庁舎などの減譲渡への反対は一人だけだった?

伊豆市議会12月定例会が始まりました。
初日の菊地市長における行政報告は以下のファイルからご覧ください。

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この行政報告の1・市長との懇談会についてをご覧ください。
市長は口頭で次のように付け加えました。

「なお、懇談会の中で天城湯ヶ島支所の減額貸付についても行った結果説明したところ、20か所の懇談会を行った結果、反対の方は1名だけでした」

私も市政懇談会に参加しました。市長の挨拶は10分ほどだったでしょうか。残りは市長と参加市民との質疑応答で1時間ほどで終了しました。
この懇談会の中で減額譲渡について詳しい説明はされなかったと記憶しています。
伊豆市議会で減額譲渡案が可決されたばかりのこの時期に開かれた懇談会でどれだけの市民が減額譲渡の内容を把握していたでしょうか。
市民が鑑定価格1億1千万円の旧天城湯ヶ島支所庁舎等を東京ラスクに1千万円で減額譲渡したことを知ったのは、広報伊豆11月号に掲載された小さな説明文からです。それまでは一切市民に対しての説明はありませんでした。

市民との懇談会は8月から10月までに開催されました。市長は20か所で説明したといいますが、議会で議案が可決された5は9月の下旬です。それでは一体どれだけの説明会で減額譲渡を説明したのでしょうか。

更に、市長は反対意見は1名だけだったといいました。
仮にこの1名が私のことであったならおかしなことになります。
私も参加した懇談会では、私だけが減額譲渡についての説明を求めました。簡単な説明がありましたが、その件についての議論はしていません。
私は議会傍聴をしていましたから、大体の内容は把握していました。しかし議会傍聴では理解できないから直接市長に質問したのです。
私はその場で「反対」とは一言も発していません。
「説明を求める=反対」であるならば伊豆市における発言の自由は無きに等しいと思います。

こうした明白な事実を曲げて平気で議会で述べる、これが伊豆市の菊地市長です。
反対者1名が私のことを指しているのでなければ後日訂正いたします。
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2023年11月11日

旧天城湯ヶ島支所等の減額譲渡は法令に違反してると「住民監査請求」を提出

11月10日、伊豆市青羽在住の自営業土屋道夫さんは、市が所有する旧天城湯ヶ島支所などの不動産鑑定価格額1億1千万円の計4棟を同所で東京ラスクを運営する(株)グランバーに1千万円で売却したことに対し、地方自治法第234条第2項等の法令に違反していると菊地市長に賠償を求める住民監査請求書(伊豆市職員措置請求書)を伊豆市監査委員事務局に提出しました。

詳細は次回以降にこのブログにて解説していきます。

11月12日 伊豆日日新聞報道です。

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2023年10月13日

伊豆市議員報酬予算内改定は適当 審議会答申

伊豆市特別職報酬等審議会は9月11日、市議会議員の報酬について「総額が現行の議員報酬の予算額(年額8500万円)を超えない範囲の改定であれば適当と認める」と答申をしました。
過去の議論では、「現行の報酬では議員のなり手が少ない。どうしても仕事をリタイアし年金を受給している年齢の方たちが中心となっている。報酬を上げることにより、もっと若い方たちも議員になれる条件を整えたい」とのことでした。
伊豆市議会議員の議員報酬は静岡県の市の中では最も低くなっています。
議員報酬を上げることにより、幅広い人材が議員となり、活発な議論が展開されることは必要であろうとは私も思います。
しかし、答申では現行の予算内で議員報酬を上げるとなっています。ということは、議員定数を削減せざるを得なくなってしまいます。
答申では現在の16名を14名に二人削減した場合の報酬アップが示されています。

私はこの答申に疑問を持ちます。
その理由は
1・伊豆市の財政規模は230億円〜240億円と人口の割にはとても大きくなっています。伊豆市はここ10年程巨額の公共投資をしてきました。そして現在でも新中学校建設、併設する公園、新たに作るリサイクルセンター、牧の郷駅前開発など公共施設にさらに膨大な税金を投入しています。私に言わせれば、これまでの公共投資は伊豆市の規模に合わない過剰な投資であり、将来の伊豆市の大きな負担になることは避けられないものであると思います。
こんな巨額の投資に比べて、1年間で削減できる金額は850万円〜900万円程度(私の推測)。この程度なら公共投資のちょっとした見直しですぐに回収できます。
放漫投資を放置していながら、市議会に手を突っ込んでくることへの疑問です。

2・定数削減により少数意見がさらに出にくくなる議会になる恐れがあります。
ただでさえ、伊豆市議会の構成は自民党を中心とする会派が圧倒的優位に立ち、すべての案件がほとんど満場一致で決定されてきました。現在では菊地市政について異論をはさむ議員はほんの少数となり、議会の当局へのチェック機能はほぼなくなってしまったと私は思っています。
業界の支援や地域の代表がほぼ大半を占める中、市民の意見や要望を地道に吸い上げ議会活動に生かしていく議員がどうしても必要になっています。定数削減は支援団体を持たない立候補者に対しては非常に厳しいものとなるでしょう。
議会の公正な運営には、少数意見が反映される議会になることが大事です。
850万円ほどの削減で、議会の大切な役割がさらに狭められることへの危険性を指摘しておきたいと思います。

9月12日 伊豆日日新聞報道

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2023年09月28日

旧天城湯ヶ島支所庁舎等の減額譲渡 その1 市民の「知る権利」はどうなった?

9月22日に開催された伊豆市議会本会議において当局より提案された議案「旧天城湯ヶ島支所庁舎等の減額貸付」は賛成多数で可決成立しました。
不動産鑑定価格1億1000万円を1000万円(税抜き)で減額譲渡する議案は、事前に伊豆市民には全く知らされることなく市議会の審議・討論だけで成立しました。

菊地市長は現在開催されている市民懇談会において、事前に市民に知らせなかった理由を以下のように述べました。
「同じ施設を同じように使い続けることを行政も議会もその状態を承知しているもので所有権の移転を覚書で交わしている。議会の皆さんもすでに了解されている件の最後の手続きである。それは市民の皆さんに同意をいただくよりも議会の議決をいただくということで私は理解をいただけると考えていた」

これは驚きの発言ですね。
国民や市民に「知る権利」があります。

「知る権利」とは、憲法21条が明記する表現の自由の一内容であり、自己実現・自己統治の重要な手段です。 国民・市民が国政・市政などについて情報を十分に公開されることにより、1人1人がその情報を吟味した上で適正な意見を形成することができるようになります。 情報公開は、国民・市民による国政などの監視・参加を充実させるものです。(公益社団法人自由人権協会)

9月27日現在、伊豆市民が「減額譲渡」に対し知ることができるのは8月28日の本会議における、議案68号 財産の減額譲渡 提案理由だけです。具体的な質疑が行われた総務経済委員会はインターネット中継はありませんし、伊豆市議会HPにはその議事録もありませんので、どのような質疑が行われたのか公式にはわからないのです。
伊豆市民は「知る権利」をこれだけ奪われているのだということを知っておくべきだと思います。

伊豆市議会HP に掲載されている令和5年9月定例会の「録画」より
令和5年8月29日 本会議
議案68号 財産の減額譲渡 提案理由

菊地市長
現在東京ラスクに貸し出している旧天城湯ヶ島支所建物について減額譲渡するために、地方自治法96条1第6項の規定により議会の議決をお願いするものである。
東京ラスクの事業活用については平成22年の減額貸付以降湯ヶ島地区の活性化に寄与するものとして東京ラスクと協議を重ねてきました。市としては施設の経年劣化による将にわたる財政的及び人的負担や公用地配置計画による市有施設の適正化をスピード感を持って実行することを考慮したとき、減額しても譲渡するほうが公益にかなうものとする

総務部長 補足説明
1・譲渡する財産は現在東京ラスクに貸し付けている市山地区の旧天城湯ヶ島支所、旧保健センターなど4つの移設であり総面積は4829平方mである。
2・不動産鑑定価格は1億1000万円(「税抜」なので売買価格は消費税込みで1億2千万円でとなる。
3・譲渡方法は随意契約による売買契約となる
4・契約の相手先は(株)グランパー
5・譲渡価格は税込1100万円とする





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2023年09月25日

旧天城湯ヶ島支所庁舎、東京ラスクに1000万円(税抜)で減額譲渡決定

9月22日に開催された伊豆市議会9月定例会において、旧天城湯ヶ島支所庁舎等を、鑑定価格1憶11000万円の約11分の1の1000万円で東京ラスクに減額譲渡する議案が審議、採決がおこなわれました。

討論では、5人の議員が反対討論を行い、1名の議員が賛成討論を行いました

・反対討論をした議員


小川議員 星谷議員 永岡議員 鈴木正人議員 杉山武司議員

賛成討論をした議員

浅田議員

減額譲渡の議案の採決では、反対5
賛成10で可決されました。

・減額譲渡の議案に反対した議員

小川議員 星谷議員 永岡議員 鈴木正人議員 杉山武司議員 

・減額譲渡の議案に賛成した議員

下山議員 杉山誠議員 波多野議員 三田議員 浅田議員 鈴木優治議員 飯田議員 黒須議院 間野議員 小長谷議員

伊豆市の大切な財産を法外な価格で減額譲渡する議案に対し、本会議でも委員会でも討論に参加しなかった議員がだいぶいました。
そうした議員は伊豆市民に対しどのような説明責任を果たすのでしょうか。

伊豆日日新聞と静岡新聞は減額譲渡について小さなスペースで報道をしました。

伊豆日日新聞の報道です。
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減額譲渡に関する議会での審議内容、採決結果についてはこれからシリーズで紹介していきます。
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2023年09月21日

旧天城湯ヶ島支所減額譲渡価格1000万円は、東京ラスクとの第2回目の打ち合わせ後の立ち話で東京ラスクから提示された

開催中の伊豆市議会9月定例会に上程された、旧天城湯ヶ島支所の減額譲渡(鑑定価格1億1000万円を1000万円で東京ラスクに譲渡)議案は一般質問、議案質疑後 総務経済委員会で賛成多数で可決され、9月22日の本会議最終日に審議・採決が行われます。
この議案は9月議会定例会に突然提出されましたが、伊豆市の主権者である市民には何らの説明がありません。
したがって、市民が減額譲渡の理由を知るためには伊豆市議会の傍聴しかなかったのです。
私は一般質問の傍聴をしましたが、減額譲渡に至るプロセスは不透明であり、伊豆市の貴重な財産を東京ラスクに鑑定価格の11分の1で売り渡す根拠が全く分かりませんでした。
後日に開催された
総務経済総務委員会の質疑の時、当局から「東京ラスクとの譲渡に関する打ち合わせの2回目の会合の後、東京ラスラスクの幹部との立ち話の時に東京ラスク側から、1000万円で買いたいとの提案があった」との答弁がありました。

その後にはいろんな経過があったとしても、「立ち話で出た1000万円」がそのまま譲渡価格になったとは驚きです。

このブログでは、最高裁判例における減額譲渡の考察に時間がかかり、9月定例会での議論まで届かなく、大変申し訳ないと思います。
22日の旧天城湯ヶ島支所の減額譲渡に関する審議・採決には多くの議員が参加し活発な議論がされることと思います。
現在の議員構成になってから当局提出の議案に対してはほとんどが全会一致の賛成で可決されてきました。私はこのブログにおいて、「伊豆市議会のチェック機能は機能していないのではないか」と言ってきました。
伊豆市の貴重な財産を鑑定価格の11分の1で譲渡するという前代未聞な議案に対し、議会が持つ本来の機能である「当局のチェック機能」を発揮してくださることを期待します。

伊豆市議会9月定例会最終日の議案審議・採決は9月22日 午前9時半からです。

市議会の傍聴は誰でも、自由にできます。またインターネット議会中継・録画でも傍聴できます。
多くの市民が傍聴して、どのような審議がされたのか、議員各位はどのような判断を下したのか、しっかりと見ていきましょう。


議会傍聴の時、地方自治体が財産を減額譲渡する際、議会でどのような審議が行われたのか、以下の観点で見ていただければより一層理解ができるのではないかと思います。

適正な対価によらないで譲渡等を行う必要性と妥当性があるか審議するための資料(譲渡価格、参照すべき価格、譲渡の相手方、譲渡に至るまでの経緯等)が議会に示されて、議会が価格に大きな乖離があることを踏まえた上でそれらの資料をもとに議会が当該譲渡の必要性、妥当性について審議していれば、適正な対価によらずに低廉な価格で財産が売却されたことで普通地方公共団体が多大な損害を被り、特定の者の利益を図ること防止するために議会のコントロールを要するとした法 237条2項の趣旨に適うといえるので、法 237条2項の議会の議決があったと解することができる。






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2023年09月19日

大竹市公共用地の減額譲渡訴訟についての最高裁判決

この裁判は大竹市の市長が公用地を不動産鑑定価格の約半分ほどで民間業者に減額譲渡したことに対して市民が市長を訴えたものです。
一審(広島地裁)は原告が敗訴、第二審(広島高裁)は原告の勝訴を受け、市長は最高裁に上告しました。最高裁は、高裁の決定を破棄、原告の敗訴が決定しました。
この裁判は、地方自治法法 96条1項8号(大竹市条例)にもとづきの議案が提出されたことが、地方自治法法 237条2項の議会の議決といえるかが争点になりました。
96条も237条も条文を読むと同じような表現ですが、237条2項の趣旨は、「適正な対価によらずに普通地方公共団体の財産の譲渡又は貸付けがされると、当該普通地方公共団体に多大の損失が生ずるおそれや特定の者の利益のために財政の運営がゆがめられるおそれがあるため、条例による場合のほかは、適正な対価によらずに財産の譲渡等を行う必要性と妥当性を議会において審議させ、当該譲渡等を行うかどうかを議会の判断に委ねることとした点にあると解される」とされています。

最高裁は「本件譲渡議決に関しては、本件譲渡が適正な対価によらないものであることを前提として審議がされた上これを行うことを認める趣旨でされたものと評価することができるから、地方自治法 237条2項の議会の議決があったということができる」と高裁の決定を廃棄し、原告の敗訴となったのです。

地方自治法237条2項の「議会の議決」には以下のように書かれています。

(1) 「法 237条2項は、条例又は議会の議決による場合でなければ、普通地方公共団体の財産を適正な対価なくして譲渡し、又は貸し付けてはならない旨規定しているところ、同項の趣旨は、適正な対価によらずに普通地方公共団体の財産の譲渡又は貸付け(以下「譲渡等」という。)がされると、当該普通地方公共団体に多大の損失が生ずるおそれや特定の者の利益のために財政の運営がゆがめられるおそれがあるため、条例による場合のほかは、適正な対価によらずに財産の譲渡等を行う必要性と妥当性を議会において審議させ、当該譲渡等を行うかどうかを議会の判断に委ねることとした点にあると解される。そうすると、同項の議会の議決があったというためには、財産の譲渡等が適正な対価によらないものであることを前提として審議がされた上当該譲渡等を行うことを認める趣旨の議決がされたことを要するというべきである(最高裁平成 15年)


(3) 「同項の趣旨に鑑みると、当該譲渡等が適正な対価によるものであるとして普通地方公共団体の議会に提出された議案を可決する議決がされた場合であっても、当該譲渡等の対価に加えてそれが適正であるか否かを判定するために参照すべき価格が提示され、両者の間に大きなかい離があることを踏まえつつ当該譲渡等を行う必要性と妥当性について審議がされた上でこれを認める議決がされるなど、審議の実態に即して、当該譲渡等が適正な対価によらないものであることを前提として審議がされた上これを認める趣旨の議決がされたと評価することができるときは、同項の議会の議決があったものというべきである。」
 「本件譲渡議決に関しては、本件譲渡が適正な対価によらないものであることを前提として審議がされた上これを行うことを認める趣旨でされたものと評価することができるから、地方自治法 237条2項の議会の議決があったということができる。」

(4) 「本件譲渡の方式等についてみても、前記事実関係等に照らせば、プロポーザル方式により本件公募をし、Aらを選定した経緯等に関し、B市長が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したことをうかがわせる事情は存しない。したがって、本件譲渡に財務会計法規上の義務に違反する違法はなく、B市長は、本件譲渡に関して、市に対する損害賠償責任を負わない」



大竹市の議会においてどのような審議がされたのかはこの文書からはわかりません。
私は地方自治法にもとづく財産の減額譲渡に関連する3つの解説論文をネットで読みましたが、いずれも最高裁の判決を妥当とするものでした。
その背景には、人口減少や地方財政の悪化、建物の老朽化などにより地方自治体の持つ使われなくなった財産の処分が急がれてきている現在、法律の条文を形式的に当てはめるのでなく、実質的に生かしていくという流れになっているような気がします。

最高裁判例を妥当とする大前提は、議会のチェック機能が、正常に機能していることです。
しかし、地方自治体の当局と議会の力関係を見たとき、当局の力が圧倒的に強く、議会のチェック機能が非常に弱まっている中で、当局の恣意的な運営により市民の財産が不当に安く処分されたり、特定の業者への不当な利益供与がなされる恐れも増してきているのではないかと感じます。



地方自治法237条2項の「議会の議決」には以下のようにも書かれています。

 適正な対価によらないで譲渡等を行う必要性と妥当性があるか審議するための資料(譲渡価格、参照すべき価格、譲渡の相手方、譲渡に至るまでの経緯等)が議会に示されて、議会が価格に大きな乖離があることを踏まえた上でそれらの資料をもとに議会が当該譲渡の必要性、妥当性について審議していれば、適正な対価によらずに低廉な価格で財産が売却されたことで普通地方公共団体が多大な損害を被り、特定の者の利益を図ること防止するために議会のコントロールを要するとした法 237条2項の趣旨に適うといえるので、法 237条2項の議会の議決があったと解することができる。

これで大竹市における減額譲渡についてのシリーズは終わりにします。
参考文献として使わせていただいたサイト・地方自治法237条2項の「議会の議決」を今一度記しておきます。

https://core.ac.uk/download/pdf/230302659.pdf

次回からは伊豆市議会における旧天城湯ヶ島支所建物の減額譲渡について考察していきます。




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2023年09月17日

大竹市における公用地減額譲渡に関する住民訴訟 広島地裁び広島高裁の判決  その2

伊豆市議会に提出された旧天城湯ヶ島支所等の減額譲渡について考える為の参考事案として、広島県大竹市における普通財産の減額譲渡における住民訴訟を検証しています。

広島県大竹市において市長が公用地を不当な価格で減額したと住民が提訴した案件の第一審(広島地裁)は
常に最低売却価格又は予定価格を不動産鑑定評価額とする必要はない本件予定価格の算出の具体的方法は合理的な方法であったと評価でき本件譲渡に裁量権の逸脱・濫用があったとは認められないな どとして、X らの請求を棄却しました。
住民は広島高裁に上告しました。

広島高裁の判断です
地方公共団体が不動産を省分するとき不動産鑑定評価の結果は、「適正な評価」について検討するに際しての、最も有力な資料であるというべきであり、本件譲渡は適正な対価で譲渡されたものではなかった。
また本件は地方自治法に基づくことなく条例によるものである上に本会議や生 活環境委員会における審議の内容も、せいぜい代金額を含めた本件譲渡の妥 当性についての議論がされたにとどまることから、法 237条2項の議会の議決があったということはできないとし、市長に差額を支払うように命じました

この判決を受けて市長は最高裁に上告しました。

地方自治法237条第2項の「議会の議決」の意義には広島地裁、および広島高裁の判決内容を以下のように書いています。

第一審(広島地判平成 27年7月 29日判例集不搭載)は、「地方公共団体の 所有する財産である不動産については、常に最低売却価格又は予定価格を不 動産鑑定評価額とする必要はない。本件予定価格の算出の具体的方法は、本 件土地に類する適切な取引事例が十分にあったとは認められない上、公示価 格が下落し続け、上昇に転じることを予測できるような事情が特に見当たらないことなどから、合理的な方法であったと評価でき」、B市長が、本件土 地を不動産鑑定評価額やこれを前提とした市不動産評価審議会の意見によらないで、これより低い額を最低売却価格又は予定価格として決定したことは 合理的であり、本件譲渡に裁量権の逸脱・濫用があったとは認められないな どとして、X らの請求を棄却した。

原審(広島高判平成 29年3月9日判例集不搭載)は、「地方公共団体がそ の財産である不動産を他に譲渡する場合において、不動産鑑定評価の結果は、 「適正な評価」について検討するに際しての、最も有力な資料であるという べきである。……本件土地の時価についての最も客観性の高い資料は平成 23年鑑定であり、それによる評価額は、7億 1300万円である。」そして、本 件土地を小中学校が移転するまでに住宅地として住宅が存在する必要がある という事情等を考慮しても適正な対価の下限が平成 23年鑑定評価額の 70% に相当する4億 9910万円を下回ると認めることはできず、本件譲渡は適正 な対価なくしてされたものであるとした。 また、本件議案が、法 96条1項6号ではなく、同項8号の委任を受けた 本件条例3条に基づいて提出され、可決されたものであること、本会議や生 活環境委員会における審議の内容も、せいぜい代金額を含めた本件譲渡の妥 当性についての議論がされたにとどまることから、本件譲渡議決につき、本 件譲渡が適正な対価によらないものであることを前提として審議がされた上 これを行うことを認める趣旨の議決がされたと評価することはできず、法 237条2項の議会の議決があったということはできないとした。 そして、B市長に対する損害賠償請求をすることを求める X らの請求の うち本件土地の適正な対価の下限であるという金額4億 9910万円と本件譲 渡価格との差額である1億 4910万円に相当する部分を認容した。
これに対して、Yは上告した。

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2023年09月15日

広島県大竹市における市有地の減額譲渡判例 その1

伊豆市議会に提出された旧天城湯ヶ島支所等の減額譲渡について考える為の参考事案として、広島県大竹市における普通財産の減額譲渡における住民訴訟を検証しています。
ここから高尾住民訴訟ついての最高裁判例の内容に入っていきます。内容が難しく、法律に素人の私が間違えてはいけないので更新に時間がかかりますのでご容赦ください。

広島県大竹市は使われなくなった市有地を住宅地として民間に売却することにしました。1回から3回目までの売却手続きに失敗し、4回目の手続きで不動産鑑定士の鑑定評価額7億 1300万円を3億 5000万円で売り払う旨の議案を提出、大竹市議会は質疑討論を行い本議案を議決しました。
住民は、市長が市の財産である土地を売り渡したのは、手続きが違法でかつ市長の裁量を逸脱しているとして市長らに対し適正な対価と売却差額との差額の支払いを求めて提訴しました。

地方自治法 237 条2項の「議会の議決」の意義
(最判平成 30 年 11 月6日判自 442 号 48 頁)

の「事業の概要」には以下のように書かれています。

大竹市(以下「Y」という。)は、平成 20年2月、住宅団地や工業用地とする計画が実現しなかった甲地区に所在する土地(面積6万 2000.43u。以下「本件土地」という。)を住宅地とする計画を表明し、売り払うこととした

Yは、平成 23年 11月、本件土地について4回目の売却手続を行った。3回目の売却手続と同様に、プロポーザル方式を採用し、予定価格についても、不動産鑑定士の鑑定評価額7億 1300万円(以下、この鑑定評価額を「平成 23年鑑定評価額」という。)ではなく、3回目の売却手続と同様の方法で3億 3777万 8342円(以下「本件予定価格」という。)と定めた。

Yは、4回目の売却手続に当たって、議員全員協議会において、本件土地につき4回目の売却手続を行うことを説明した。本件土地全体を3億 5000万円で買い受け、宅地及び施設用地とするという内容で本件公募にAらが応募した。他に応募した者はいなかった。
Yの市長(以下「B市長」という。)は、平成 23年 12月5日、Yを代表して、Aらとの間で、本件土地全体を3億 5000万円で譲渡する旨の土地売買仮契約(以下これによる本件土地の譲渡を「本件譲渡」という。)を締結した。

Yは、平成 23年 12月8日、議員全員協議会において、甲地区造成土地売払事業の事業実施者にAらを選定し、本件土地全体を3億 5000万円で売却する予定であることを説明した。その際、Yは、本件土地を売り渡す必要性Yは、本件譲渡価格が法 96条1項6号にいう適正な対価の範囲内であるという認識の下に、同項8号の委任を受けた大竹市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例3条(以下「本件条例3条」という。)に基づき、本件土地をAらに対し3億 5000万円で売り払う旨の議案(以下「本件議案」という。)を市議会に提出した。
Yは、生活環境委員会において、本件土地の鑑定評価額が7億円であること、本件予定価格が3億 3777万 8342円であることを説明し、同委員会は、本件議案を可決する議決をし、本会議においても、生活環境委員会の審査報告を基に、質疑及び討論を行い、本件議案を可決する議決(以下「本件譲渡議決」という。)をした。

住民であるXらが、B市長らが、市の財産である土地を売り渡したのは、法 237条2項の適正な対価なくして譲渡し、さらに、法 96条1項6号の議決も経ていないなどその手続が違法でかつ市長の裁量を逸脱濫用しているとして、Y に対し、法 242条の2第1項4号本文に基づき、B市長らに対して適正な対価と売却価格との差額の支払を請求するよう求めた。

広島県大竹市は使われなくなった土地を住宅地として民間に売却することにしました。1回から3回目までの売却手続きに失敗し、4回目の手続きで不動産鑑定士の鑑定評価額7億 1300万円を3億 5000万円で売り払う旨の議案を提出、大竹市議会は質疑討論を行い本議案を議決しました。

住民は、市長が市の財産である土地を売り渡したのは、手続きが違法で勝つ市長の裁量を逸脱しているとして市長らに対し適正な対価と売却差額との差額の支払いを求めて提訴しました。
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2023年09月11日

普通地方自治体における減額譲渡に関する法令等について

現在開催中の伊豆市議会9月定例会に上程された「旧天城湯ヶ島の減額譲渡」案件に対し、総務経済委員会で杉山武司議員は、先回紹介した
地方自治法 237 条2項の「議会の議決」の意義 (最判平成 30 年 11 月6日判自 442 号 48 頁
を引用して質疑を行いました。

この地方自治法 237 条2項の「議会の議決」の意義 (最判平成 30 年 11 月6日判自 442 号 48 頁の1ページ の「はじめに」には以下のように書かれています。

これまでに地方公共団体が建設した公共施設の多くが更新時期を迎えるなか、人口減少や少子高齢化等による公共施設に対する需要の変化に対応するために、多くの地方公共団体では公共施設の統廃合が進められている。そして、売却による財産収入や固定資産税の収入が得られること、民間の活力を利用し、商業施設や宅地を造成することで地域の活性化につながることなどから、公共施設の統廃合により利用されなくなった不動産の売却が積極的に行われている
地方公共団体が不動産の売却をするのに当たり、通常は公有財産規則等の規定に基づいて不動産評価審議会や不動産鑑定士で出された価格を参考にして売却の予定価格は決められるが、政治的、政策的な理由等により鑑定価格よりも低く予定価格が設定されることがあり、不動産の売却後住民から違法又は不当に安く売却したとして住民監査請求や住民訴訟で争われるケースが多々ある(最近では、高知県いの町の住民訴訟(高松高判平成 29年3月 16日判自 421号 23頁)などがある)。
広島県大竹市が市有地を不動産鑑定評価額よりも安く売却したとして住民から起こされた住民訴訟の最高裁判決(最判平成 30年 11月 16日判自 442号48頁)が出された。この最高裁判決を取り上げ、地方公共団体における不動産の売却に関する地方自治法(以下「法」という。)上の論点、特に法 237条2項の「議会の議決」の意義について検討を加える。


旧天城湯ヶ島支所の建物を東京ラスクへ減額譲渡する目的を菊地市長、当局は上記太字、下線部分と同様に説明しています。
普通地方自治体が保有する公有財産を民間に減額譲渡するためには、地方自治法第96条及び237条,伊豆市財産の交換贈与、無償貸し付等に関する伊豆市条例によります。

地方自治法96条

1 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない

(六)条例で定める場合を除くほか、財産を交換し、出資の目的とし、若しくは支払い手段として使用し、又は適正な対価無くしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けること

地方自治法237条

この法律において「財産」とは、公有財産、物品及び債権ならびに基金をいう

2項 第二百三十八条一項の規定の適用がある場合を除き、普通地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合でなければ、これを交換し、出資の目的とし、若しくは支払い手段として使用し、又は適正価格なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けしてはならない

・伊豆市財産の交換贈与、無償貸し付等に関する条例

(普通財産の贈与又は減額譲渡)

第3条 普通財産は、次の各号のいずれかに該当するときは、これを譲渡し、又は時価よりも低い価額で譲渡することができる。
(1)他の地方公共団体その他公共団体において公用若しくは公共又は公益事業の用に供する財産を他の地方公共団体に譲与又は譲渡するとき
(2)他の地方公共団体その他公共団体において維持及び保存の費用を負担した公用又は公共用に供する財産の用途を廃止した場合において、当該用途の廃止によって生じる普通財産をその負担した費用の額の範囲内において当該地方公共団体その他公共団体に譲与又は譲渡するとき                                                   




posted by イズノスケ at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 伊豆市議会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする