ギリシャ神話を知ることなく、ギリシャ旅行を楽しむことは難しいと冒頭で書きました。それではギリシャ神話とはどのような神話だでしょうか。
私は旅行の前にギリシャ神話を読んでみましたが、複雑でとても自分の文章で書くことは不可能です。
そこで阿刀田高さん著「私のギリシャ神話」のまえがきを紹介いたします。ギリシャ神話のことが少しは理解できるかもしれません。
古代ギリシヤ人は歴史の揺笙期に燦然たる文化の花を咲かせ、その影響は古代ローマを直撃し、さらに地図の拡大につれ、その後のヨーロツパに、アメリカに、そして世界中にさまざまな形で浸透した。痕跡は至るところではつきりと見ることができる。少なくとも欧米の文化は、その淵源をギリシヤに得ている、と断言してもよいだろう。この本のテーマであるギリシヤ神話は、そのギリシヤ民族の信仰の拠処であり、哲学、倫理、芸術、科学にまで深く関わる知恵であつた。
ひるがえつて私たち日本人は欧米の枠組みからは外れた世界に属しているけれど、日常生活では大きな影響を受けている。衣食住は言うに及ばず、いっさいがが欧米的で、その文化に首まで浸かつていると言っても過言ではあるまい。まったくの話、直接的なギリシャの影響さえ皆無ではない。たとえば″マラソン選手がアキレス腱を切り、モルヒネで激痛を抑えたが、ついにオリンピツクヘの出場は断念した″という短文で、四つの片仮名語はすべて古代ギリシャと関わっている。オリンピックの祝祭そのものが古代ギリシャの遺産なのだ。こんな情況を考えて、この本の目的は次の二つに要約できるだろう。
一つは欧米文化の淵源を知ることだ。ギリシャを知ることは欧米を知ることに通ずる。二十一世紀はますます国際化していくだろう。それを目前にして肌色の異なる朋友たちの思考と知識の一端を根本からながめてみることも無駄ではあるまい。私たちの内なるギリシャ的なものをも、ときには見出すことがあるだろう。
もう一つは…古代ギリシャの文明は、それ自体優れている。現在でも生ものとして新鮮な価値を含んでいる。古代ギリシャの哲学は、たとえばソクラテス一人を採ってみても現代的な価値を失っていない。文学や芸術もまたしかり。こうした文化は当然のことながら民族の神話と密接な関係を持っている。ギリシャ神話の知識なしでは理解できない部分も大きいし、加えてギリシャ神話は文学としてそれ自体ユニークな価値を持ち続けている。この点は、とりわけこの本で触れたいポイントである。
2013年11月11日
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