2026年03月07日

「多元的無知とは」 「多元的無知」を知る。他者への誤認、正す工夫を その2

先回に続いての2回目です。

八ケ崎教授は「多元的無知」とは
「自分自身はある考えを支持しているが他の人は支持してないはずだ」と多くの人が同時に思い込んでる状況を指す、と書かれています。
現在の政治状況から見てみると、憲法改正、原発再稼働、政治と金の問題、辺野古基地移転問題などについて「私は反対だ」と考えていても、周りは「賛成が多い」のではないかと思い込んでしまう。
新聞などの世論調査では賛否が拮抗していても、最近大きな影響を与え始めたネットの論調、あるいはデマに影響され、「反対しているのは少ないのではないか、反対してはまずいのではないか」と勘違いして、自分の考えと違う政党(自民党が圧倒的)に投票した人が多かったのではないか、と私はこの記事を読んで思いました。

3月2日 日本経済新聞
「多元的無知」を知る。他者への誤認、正す工夫を(続き)
このような認識のずれが極端な形で現れる現象の一つが、社会人理学で多元的無知と呼ばれる状態である。多元的無知とは「自分自身はある考えを支持しているが他の人は支持してないはずだ」と多くの人が同時に思い込んでる状況を指す。

このような誤認が集団の中で共有されると、実際には多数派である意見の持ち主が自身を少数であると思い込んでしまう。その結果本当は多くの人が疑問や違和感を抱く慣行、も誰もそれを変えようとしないままに維持されてしまう。

筆者はマリアンヌ・ベルトラン教授(シカゴ大学)パトリシア・コルテス教授(ボストン大学)、ジュンカ・バン教授(シンガポール国立大学)重岡仁教授(東京大学)との共同研究で、日本の男性の育児休業取得をめぐる多元的無知の実態を分析した。

厚生労働省が公表した統計によれば、2024年の男性の育児休業取得率は40.5%と近年大きく上昇している。ただし女性の取得率が86.6%であることを踏まえると、性別間の差は依然として大きい。また取得期間に目を向けると、男性の多くは1カ月未満の短期取得にととままり、質の面の課題も残されている。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

我々の調査では日本の男性の育児休業をめぐり、多元的無知と呼ばれるべき状況が確認された。調査では男性の1ヶ月程度の育休取得について「同僚や上司ほどはどの程度支持しているかと思うか」と尋ねた。すると実際には8割を超える指示があるにもかかわらず、多くのの既婚男性は支持率を4割程度と過小評価していた。

さらに重要なのはこの誤認が認識の問題にとどまる止まらず、行動の意向と密接に結びついている点である。周囲の支持を低く見積もる男性はほど育休取得の意向が弱く、長期間の取得を考えにくい傾向が維持された。

つまり日本では育休制度への反対が強いから取得が進まないのではなく、「反対されるに違いない」という誤った他者認識が、男性の選択を抑制している可能性が高い。これは多元的無知が個人の行動を通じ社会全体の結果を左右していることを示する例である。
posted by やまちゃん at 17:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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