ホムルズ海峡は事実上封鎖状態であり、国連の国際海事機構(IMO)などによると、ペルシャ湾では各国の船舶約3200隻と約2万人の船員が取り残されています。27日時点で日本人船員24人が乗る日本関係船45隻がとどまっています
戦闘状態は悪化の一方で収まる気配はありません。
原油価格は高止まりしたままで、この封鎖状態がさらに続けば世界経済への悪影響はますます深刻化していく行くでしょう。
イランは今のところ日本を友好国としているようです。ならば、日本政府は外交を通して一刻も早くこの戦闘の停止・中止のために努めることが求められます。
3月28日 毎日新聞
イラン戦闘1カ月 国際法 意に介さず 米主調の「脅威」不明確
米国・イスラエルとイランの戦闘は28日で開始から1ケ月となる。多くの民間人が死傷している他、船舶の航行などに影響を与え、国際秩序や世界経済を揺るがしている。
(イラン)の発電所破壊(作戦)を10日間停止する。トランプ米大統領は26日、自身のソーシャルメディアにそう投稿した。トランプ氏は21日から発電所破壊に言及しているが、発電所は市民の生活に密接に関わる民間インフラだ。国際人道法では、戦時に軍事施設と民間施設を区別し、軍事施設のみを攻撃しなければならない。だがトランプ氏が気にかける様子はない。
3ケ国の戦闘は激化する一方だが、「戦争のルール」を定めた国際法は守られず、国際秩序の弱体化が懸念されている。複数の専門家によると、そもそも米・イスラエルによる2月28日の先制攻撃が国際法違反に当たる。国連憲章51条は武力攻撃発生時に加盟国の自衛権を認めており、「差し迫った脅威」がある場合も行使できると解釈されてきた。
米政権は、今月11日付で国連に締結した書簡で、イランが核開発などをめぐり「誠実な交渉を拒否」したとして「イランからの継続的脅威に対処するために行動した」と説明した。ただ「脅威」について説明はなく、政権内でも見解が錯綜している。ルビオ米国務長官は2日、イスラエルがイランを先制攻撃した場合、イランが米国に反撃する可能性がある事を「脅威」と説明。一方米国家テロ対策センターのケント所長は、17日「イランは我が国に差し迫った脅威をもたらしていない」と訴え辞任を表明した。
トランプ氏はもともと国際法を遵守する意識に乏しい。1月の米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューでは「国際法はいらない」とし、大統領の権力行使において「倫理観だけが私を止められる」と語っている。
米憲法は宣戦布告の権限を大統領ではなく、連邦議会に与えている。また米戦争権限法は「急迫」の脅威が明白な場合に軍事行動を認めている。大統領は軍事行動開始から48時間以内に議会に報告し、承認が得られなければ60日以内に作戦を終了する必要がある。トランプ氏は議会の承認を得ていないが、連邦議会多数派の共和党を掌握し、反対論を押さえ込んできた。
だが戦闘が長期化するにつれ、「身内」からも批判が上がっている。米政権は25日、下院軍事委員会で対イラン軍事作戦について説明会を開いたが、共和党のロジャース委員長は説明が不十分だと批判 。今後国内法や国際法との整合性を問われる可能性がある 。
米国と行動を共にするイスラエルでは、軍事攻撃は幅広い支持を集めている。政府は「イランが核計画とミサイル能力を地下に隠す計画を持っていた」と主張し、自衛のための戦闘だと強調する。イスラエルはイランの民間インフラへの攻撃も既に実施しているが、国際社会から強い非難は上がっていない。
一方イランは米側の攻撃にこうするように報復の範囲を広げ、無人機(ドローン)やミサイルで中東諸国を攻撃してきた。湾岸諸国のエネルギー関連施設や国際空港も被害を受けた。イランは米側の攻撃が「国際法違反」だと主張してきたが、自国も多数の民間人を巻き込んだ戦闘を続けている。
2026年03月29日
2026年03月28日
再配分の効率化を進めよ 問題は格差ではなく貧困だ 日経新聞上級論説委員 西條都夫氏 その2
先回に引き続き、3月2日の日本経済新聞への西條氏の投稿の続きです。
イラン戦争の拡大で原油の高騰によるガソリン価格の高騰がさらに物価の上昇を加速させています。
現在の日本経済の問題点は「格差の拡大」ではなく「大多数の貧困化」だと説く西條氏の投稿を続いてお読みください。
3月2日 日本経済新聞
再配分の効率化を進めよ 問題は格差ではなく貧困だ 日経新聞上級論説委員 西條都夫氏 その2
今の日本が早急に向き合うべき社会経済のテーマは、おそらく貧困リスクである。
それを浮き彫りにしたのが、総務省が2月の公表した25年のエンゲル係数だ。消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は、貧しい世界や国ほど高く裕福になると低下することで知られる。その値が2人以上世帯のケースで25年は28.6%に上昇し、44年前の1981年の水準に近づいた。05年ごろからじわじわと上がってきたが、近年は上げ幅が急だ。円安や天候不順による不作で、生きて行くために必須の食品の値段が上がり生活を圧迫される人が少なくない。
典型例がひとり親世代だ。母子家庭等を支援するNPO法人、しんぐるまざあず・ふおーらむの小森優子理事長は、母親一人で小さい子供を抱えながら仕事をするのは相当に厳しい。1食あたりの食費を100円に切り詰めないといけないという切実な声を聞くという。
いわゆる就職氷河期世代の問題も持ち越しのままだ。現状では稼ぎのある人が多く問題は顕在化していないが、今から十数年後に必ず訪れる引退後への備え薄い。この世代をどうさせていくか答えを見出す必要がある。
カネが天から降ってくるならばらまくもいいが、現実はそうはいかない。コロナ対策として政府が29年春に国民全員に一人10万円を配った特別定額給付のうち実際の消費行動に結びついたのは22%に過ぎず、残りは貯蓄に回ったという分析を政府自身が公表している。
高市早苗蜻の肝いりで給付付税額控除などを議論する「国民会議」が先週始まった。そこで意識してほしいのが薄く広くではなく、本当に必要な層に的を絞って届ける「再分配の効率化」だ。貧困の連鎖や格差の拡大・固定化を防ぎ、社会の健全性を保つために、今こそ光を当てるべきテーマである。
イラン戦争の拡大で原油の高騰によるガソリン価格の高騰がさらに物価の上昇を加速させています。
現在の日本経済の問題点は「格差の拡大」ではなく「大多数の貧困化」だと説く西條氏の投稿を続いてお読みください。
3月2日 日本経済新聞
再配分の効率化を進めよ 問題は格差ではなく貧困だ 日経新聞上級論説委員 西條都夫氏 その2
今の日本が早急に向き合うべき社会経済のテーマは、おそらく貧困リスクである。
それを浮き彫りにしたのが、総務省が2月の公表した25年のエンゲル係数だ。消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は、貧しい世界や国ほど高く裕福になると低下することで知られる。その値が2人以上世帯のケースで25年は28.6%に上昇し、44年前の1981年の水準に近づいた。05年ごろからじわじわと上がってきたが、近年は上げ幅が急だ。円安や天候不順による不作で、生きて行くために必須の食品の値段が上がり生活を圧迫される人が少なくない。
典型例がひとり親世代だ。母子家庭等を支援するNPO法人、しんぐるまざあず・ふおーらむの小森優子理事長は、母親一人で小さい子供を抱えながら仕事をするのは相当に厳しい。1食あたりの食費を100円に切り詰めないといけないという切実な声を聞くという。
いわゆる就職氷河期世代の問題も持ち越しのままだ。現状では稼ぎのある人が多く問題は顕在化していないが、今から十数年後に必ず訪れる引退後への備え薄い。この世代をどうさせていくか答えを見出す必要がある。
カネが天から降ってくるならばらまくもいいが、現実はそうはいかない。コロナ対策として政府が29年春に国民全員に一人10万円を配った特別定額給付のうち実際の消費行動に結びついたのは22%に過ぎず、残りは貯蓄に回ったという分析を政府自身が公表している。
高市早苗蜻の肝いりで給付付税額控除などを議論する「国民会議」が先週始まった。そこで意識してほしいのが薄く広くではなく、本当に必要な層に的を絞って届ける「再分配の効率化」だ。貧困の連鎖や格差の拡大・固定化を防ぎ、社会の健全性を保つために、今こそ光を当てるべきテーマである。
2026年03月27日
雨の中2.4万人が参加 国会前で憲法改正・イラン攻撃抗議デモ
昨日の毎日新聞朝刊にはこのデモのことは何も書かれていませんでしたが、ネット配信では大手新聞社が一斉に掲載していました。
他の記事を読んでいると、参加者は女性が多く、それも若い女性が主だったそうです。今までの国会周辺のデモとは様子が一変していたと報じていました。
日米首脳会談が終り再開された参院の審議で、トランプ氏と何を約束してきたのかを聞かれても「外交上の秘密」として明らかにしない高市首相。トランプ大統領が、ホムルズ湾への自衛隊派遣は憲法上できない、と日本側から説明されたと発言しているのに、高市氏は認めない。
米国連大使が「日本は自衛隊の派遣を約束した」の発言も認めない。この発言が本当であるなら、この会談で何らかの「密約」があったことになるでしょう。
外交上の秘密を理由に国民に日米首脳会談の内容を明らかにしようとしない高市内閣の姿勢に対し、国民の怒りが巻き起こるのは当然です。
こうした怒りが国会周辺でのデモの拡大につながっていると思います。これからもデモの計画が出されています。
「憲法は私達の生命を尊重するものです。日常の中にある小さな幸せを守るために絶対に必要なものです。絶対に私達が手放してはいけないもの..」
最後まで反戦平和を訴え続けた坂本龍一氏の娘さんで歌手の坂本美雨さんのスピーチです。
高市内閣支持率が次第に下落しています。高市一強内閣に異変が起きつつあるようです。
毎日新聞
2026/3/25 23:27
雨の中2.4万人が参加 国会前で憲法改正・イラン攻撃抗議デモ
憲法改正に反対し、米国・イスラエルとイランの戦闘に抗議するデモが25日夜、東京都千代田区の国会前であった。雨が降る中、参加した約2万4000人(主催者発表)は国会周辺の歩道を埋め尽くし、ペンライトを振ったりプラカードを掲げたりして「改憲反対」「武力で平和はつくれない」などと声をあげた。
デモは「平和憲法を守るための緊急アクション」と題し、研究者やアーティストら市民有志でつくるグループ「WE WANT OUR FUTURE」と「憲法9条を壊すな!実行委員会」が呼びかけた。2月の衆院選で改憲に意欲を示す高市早苗首相が率いる自民党が圧勝し、憲法改正発議ができる3分の2を超える316議席を単独で獲得した。こうした背景から両団体は2月に緊急アクションを開催し、今月10日にも国会前に約8000人が集まるなど関心が広がっている。
歌手の坂本美雨さんも参加し、マイクを手に「憲法は日常の中にある小さな幸せを守るために絶対に必要なもの。手放してはいけない」と訴えた。
東京都武蔵野市のアルバイトの女性(25)は「今行かないと後悔すると思った」と話した。同三鷹市のフリーライターの女性(55)は「こうした活動に参加するのは10年ほど前の安全保障関連法案に反対するデモ以来。憲法9条を掲げて戦争に反対するのは日本人だからこそできることだと思う」と語った。【椋田佳代】
他の記事を読んでいると、参加者は女性が多く、それも若い女性が主だったそうです。今までの国会周辺のデモとは様子が一変していたと報じていました。
日米首脳会談が終り再開された参院の審議で、トランプ氏と何を約束してきたのかを聞かれても「外交上の秘密」として明らかにしない高市首相。トランプ大統領が、ホムルズ湾への自衛隊派遣は憲法上できない、と日本側から説明されたと発言しているのに、高市氏は認めない。
米国連大使が「日本は自衛隊の派遣を約束した」の発言も認めない。この発言が本当であるなら、この会談で何らかの「密約」があったことになるでしょう。
外交上の秘密を理由に国民に日米首脳会談の内容を明らかにしようとしない高市内閣の姿勢に対し、国民の怒りが巻き起こるのは当然です。
こうした怒りが国会周辺でのデモの拡大につながっていると思います。これからもデモの計画が出されています。
「憲法は私達の生命を尊重するものです。日常の中にある小さな幸せを守るために絶対に必要なものです。絶対に私達が手放してはいけないもの..」
最後まで反戦平和を訴え続けた坂本龍一氏の娘さんで歌手の坂本美雨さんのスピーチです。
高市内閣支持率が次第に下落しています。高市一強内閣に異変が起きつつあるようです。
毎日新聞
2026/3/25 23:27
雨の中2.4万人が参加 国会前で憲法改正・イラン攻撃抗議デモ
憲法改正に反対し、米国・イスラエルとイランの戦闘に抗議するデモが25日夜、東京都千代田区の国会前であった。雨が降る中、参加した約2万4000人(主催者発表)は国会周辺の歩道を埋め尽くし、ペンライトを振ったりプラカードを掲げたりして「改憲反対」「武力で平和はつくれない」などと声をあげた。
デモは「平和憲法を守るための緊急アクション」と題し、研究者やアーティストら市民有志でつくるグループ「WE WANT OUR FUTURE」と「憲法9条を壊すな!実行委員会」が呼びかけた。2月の衆院選で改憲に意欲を示す高市早苗首相が率いる自民党が圧勝し、憲法改正発議ができる3分の2を超える316議席を単独で獲得した。こうした背景から両団体は2月に緊急アクションを開催し、今月10日にも国会前に約8000人が集まるなど関心が広がっている。
歌手の坂本美雨さんも参加し、マイクを手に「憲法は日常の中にある小さな幸せを守るために絶対に必要なもの。手放してはいけない」と訴えた。
東京都武蔵野市のアルバイトの女性(25)は「今行かないと後悔すると思った」と話した。同三鷹市のフリーライターの女性(55)は「こうした活動に参加するのは10年ほど前の安全保障関連法案に反対するデモ以来。憲法9条を掲げて戦争に反対するのは日本人だからこそできることだと思う」と語った。【椋田佳代】
2026年03月26日
問題は格差ではなく貧困だ 日経新聞上級論説委員 西條 都夫氏 その1
3月2日の日本経済新聞に掲載された「問題は格差ではなく貧困だ」との投稿が頭の隅に残り、保管していた新聞を読み返しました。
投稿者の西條氏によると、過去四半世紀にわたり格差拡大という概念が繰り返されてきたが、2025年11月に厚生労働省が公表した「所得再分配調査」から浮かび上がるのは、「格差拡大は歯止めがかかっている」との調査結果だったようです
それでは何が問題かといえば「今の日本経済はみんな仲良く貧乏に」状態だと指摘しています。
3月2日 日本経済新聞
問題は格差ではなく貧困だ 日経新聞上級論説委員 西條 都夫氏
日本経済をめぐって過去四半世紀にわたり格差拡大のナラティブ(物語)が繰り返されてきた。非正規労働の拡大や行き過ぎた新自由主義のせいで貧富の差が広がり、昭和時代の総中流社会は過去のものだったという言説である。
先の総選挙でも左派系のある政党は「税金は大金もちからとれ」というスローガンを掲げ、それが格差を縮小する道だと主張した。
だが本当に格差は広がっているのだろうか。2025年11月に厚生労働省が公表した「所得再分配調査」から浮かび上がるのは、通念とは少し異なる日本経済の姿だ。
それによると23年の世帯別所得分布の均等を示すジニ係数(0から1の値を取り、格差は0に近いほど小さく1に近いほど大きい)は当初所得では前回調査より上昇したが、再分配所得で見るとほぼ横ばいで、格差は広がりも縮みもしなかった。
世代別に見ると、シニア層ほど所得や資産のばらつきが大きいのは周知の事実だ。高齢者の経済環境は長年の仕事の遍歴や人的なつながり、運不運といった個人的な要素を強く反映するので、若い世代に比べ世代内の格差がどうしても大きくなる(大竹文雄著 日本の不平等)
したがって高齢化の進む日本である程度の格差が生じるのは自然の流れで、これが当初所得のジニ係数を押し上げた要因とみられる。
むしろ注目に値するのは、当初所得から税金や社会保険料を差し引き、社会保障給付(公的年金や医療などの現物給付を含む)を加えた再分配所得のジニ係数が横ばいだったことだ。
この傾向は実は今回に限らず、1999年の調査以降一貫して続いているトレンドで、再分配ジニ係数は0.3 7〜0.39のボックス内を微妙に上下しているだけだ。
ちなみに人々の意識も驚くほど変化に乏しい。内閣府が24年夏に実施した国民生活に関する世論調査では、中流を自任する国民が89%に達し1.7%の上流は8.7%の下流を圧倒した。
高齢化が世界トップ級の日本で、格差拡大に歯止めがかかっている現状をどう評価すべきか。欠点は多々あっても、税や社会保障などの再分配システムが今のところなんとか機能している証だろう。
龍谷大学の竹中雅治名誉教授は、過去10年以上にわたって人手不足が続き、その間、失業率の低下や最低賃金の上昇、そして非正規から正規雇用への登用が進んだこれも格差を抑止する効果があったと分析する。
さらに、変化に飛びつくが変化しないことには関心を払わないメディアの認知バイアスにも問題があるという。「格差拡大のニュースは大々的に報じるが、あまり広がっていないという逆向きの情報はスルーする。これが社会全体の認知を歪めているのでは」と手厳しい。
ただ格差の不拡大を喜んでばかりもいられない。一橋大の小塩隆士特任教授は、「所得格差・貧困の近年の動向」という最近の論考で、今の日本経済は「みんな仲良く貧乏に」状態だと指摘した。米国のように人工知能AI長者などのスーパーリッチが大量に誕生するわけでもなく、上流とそれ以外の差はさほど開かない。それはいいとしても、長期に及ぶ低成長の結果、所得分配の重心が低い方向にシフトした。さらに足元では円安による輸入物価、とりわけ食品価格の上昇が家計に苦しみが二重に重くのしかかる。
img20260325_16221974.pdf
投稿者の西條氏によると、過去四半世紀にわたり格差拡大という概念が繰り返されてきたが、2025年11月に厚生労働省が公表した「所得再分配調査」から浮かび上がるのは、「格差拡大は歯止めがかかっている」との調査結果だったようです
それでは何が問題かといえば「今の日本経済はみんな仲良く貧乏に」状態だと指摘しています。
3月2日 日本経済新聞
問題は格差ではなく貧困だ 日経新聞上級論説委員 西條 都夫氏
日本経済をめぐって過去四半世紀にわたり格差拡大のナラティブ(物語)が繰り返されてきた。非正規労働の拡大や行き過ぎた新自由主義のせいで貧富の差が広がり、昭和時代の総中流社会は過去のものだったという言説である。
先の総選挙でも左派系のある政党は「税金は大金もちからとれ」というスローガンを掲げ、それが格差を縮小する道だと主張した。
だが本当に格差は広がっているのだろうか。2025年11月に厚生労働省が公表した「所得再分配調査」から浮かび上がるのは、通念とは少し異なる日本経済の姿だ。
それによると23年の世帯別所得分布の均等を示すジニ係数(0から1の値を取り、格差は0に近いほど小さく1に近いほど大きい)は当初所得では前回調査より上昇したが、再分配所得で見るとほぼ横ばいで、格差は広がりも縮みもしなかった。
世代別に見ると、シニア層ほど所得や資産のばらつきが大きいのは周知の事実だ。高齢者の経済環境は長年の仕事の遍歴や人的なつながり、運不運といった個人的な要素を強く反映するので、若い世代に比べ世代内の格差がどうしても大きくなる(大竹文雄著 日本の不平等)
したがって高齢化の進む日本である程度の格差が生じるのは自然の流れで、これが当初所得のジニ係数を押し上げた要因とみられる。
むしろ注目に値するのは、当初所得から税金や社会保険料を差し引き、社会保障給付(公的年金や医療などの現物給付を含む)を加えた再分配所得のジニ係数が横ばいだったことだ。
この傾向は実は今回に限らず、1999年の調査以降一貫して続いているトレンドで、再分配ジニ係数は0.3 7〜0.39のボックス内を微妙に上下しているだけだ。
ちなみに人々の意識も驚くほど変化に乏しい。内閣府が24年夏に実施した国民生活に関する世論調査では、中流を自任する国民が89%に達し1.7%の上流は8.7%の下流を圧倒した。
高齢化が世界トップ級の日本で、格差拡大に歯止めがかかっている現状をどう評価すべきか。欠点は多々あっても、税や社会保障などの再分配システムが今のところなんとか機能している証だろう。
龍谷大学の竹中雅治名誉教授は、過去10年以上にわたって人手不足が続き、その間、失業率の低下や最低賃金の上昇、そして非正規から正規雇用への登用が進んだこれも格差を抑止する効果があったと分析する。
さらに、変化に飛びつくが変化しないことには関心を払わないメディアの認知バイアスにも問題があるという。「格差拡大のニュースは大々的に報じるが、あまり広がっていないという逆向きの情報はスルーする。これが社会全体の認知を歪めているのでは」と手厳しい。
ただ格差の不拡大を喜んでばかりもいられない。一橋大の小塩隆士特任教授は、「所得格差・貧困の近年の動向」という最近の論考で、今の日本経済は「みんな仲良く貧乏に」状態だと指摘した。米国のように人工知能AI長者などのスーパーリッチが大量に誕生するわけでもなく、上流とそれ以外の差はさほど開かない。それはいいとしても、長期に及ぶ低成長の結果、所得分配の重心が低い方向にシフトした。さらに足元では円安による輸入物価、とりわけ食品価格の上昇が家計に苦しみが二重に重くのしかかる。
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2026年03月25日
“11年ぶり暫定予算”が暗示する圧倒的「高市推し」の陰り、越えられなかった「参院の壁」と過剰な「トランプお追従」への逆風
通常国会を前に突然衆院解散をした高市首相。
自民だけで衆院の3分の2を占め、ろくな審議をしないで衆院での予算案審議をぶっ飛ばし、強行採決さながらで衆院を通過させました。
しかし、参院は少数与党で衆院のようにはいきません。それでも会期内成立を目指しましたが、ついに断念に追い込まれ、暫定予算案を組まざるを得ませんでした。首相の面目丸つぶれですね。しかし、こんなことは初めから予想できたことです。
ホワイトハウスの公式アカウントに掲載されていた「踊る高市首相」の写真や「バイデン前大統領の肖像画」の前の写真等が、なぜか首相官邸の公式アカウントには掲載されていません。「踊る高市首相」の写真はホワイトハウス公式アカウントのトップに掲載されている写真です。
本来なら大喜びで掲載するずなのに、どうしてでしょう。
「憲法9条」を改正したい高市首相ですが、自衛隊のホムルズ海峡派遣要請を断る理由として「憲法9条」を上げました。
国の役割は「国民の命を守る」ことにありますね。危険なホムルズ海峡に自衛隊を派遣したら自衛隊員の命を危険にさらすことになったでしょう。
しかし、高市内閣は自衛隊を今回危険な任務に就かせることから守ってくれた「憲法9条」を改正(改悪)することに邁進しています。
「憲法9条」があるからこそ日本は戦後一人として戦争で亡くなる人が出なかったのです。高市首相はこの矛盾を一体どうするのですか?
高市首相が誕生して3か月。国民の目(高市首相を支持する人は別でしょうが)から見て、やることなすことが異常事態に見えます。しかし、マスコミは高市首相の威光を恐れてか、はっきりと批判しません。マスコミの役割は「権力の監視」であることを放棄したのでしょうか。
高い支持率を誇る高市内閣。
こんなことがこれからも続けばいずれかに「驕る平家は久しからずや」状態になっていくでしょう。
※「驕る平家は久しからずや」とは
栄華や絶頂期は長く続かないたとえ。また、権力や財力をかさにきて、おもいあがった高ぶる人はその身を保つことができない。(漢字ペディア)
3/24(火) 17:00配信 東洋経済オンライン
11年ぶり暫定予算”が暗示する圧倒的「高市推し」の陰り、越えられなかった「参院の壁」と過剰な「トランプお追従」への逆風
年度末まで8日間となった3月24日、2026年度予算の年度内成立が困難な状況となったのを踏まえて、政府・与党が暫定予算の編成に着手した。
衆議院選挙で記録的な圧勝を収めた高市早苗首相はなお年度内成立に固執しているが、「少数与党」となっている参議院の壁は極めて高く、自民党内からは「メンツにこだわれば、今後の政権運営の火種にもなりかねない」(参院国対幹部)との声が相次ぐ。一方で、野党側は「当然の結末」と冷笑している。
■11年ぶりの“異例事態”に突入しそうな舞台裏
高市首相が日米首脳会談を終えてアメリカから帰国したことを受けて、木原稔官房長官は週明けの23日、自民党の松山政司参院議員会長らと首相官邸で会談。「不測の事態に備えて暫定予算を編成する方向で検討したい」と、政府として初めて暫定予算編成に踏み込んだ。
これは首相の意向も踏まえたもので、片山さつき財務相も24日午前の記者会見で「暫定予算を編成する」と明言。タイムリミットとされる同日に、財務省を中心に暫定予算の内容や提出時期をめぐる協議が本格化した。
そもそも暫定予算とは「政府の当初予算が年度内に成立しなかった場合の予算の空白を防ぐための『つなぎ』」(財務省)との位置づけ。前回組まれたのは15年で、今回、暫定予算提出・成立となれば11年ぶりという“異例の事態”となる。
今後の具体的な運びとしては、すでに当初予算が13日に衆院で可決、4月11日には「自然成立」するため、政府・与党としては今回の暫定予算を4月1日から11日までの11日分とする見通しだ。ただ、当初予算が成立した時点で暫定予算は失効し、その間の支出は当初予算の下で執行されたと見なされることになる。
こうした状況も踏まえて、高市内閣はあくまで「不測の事態」への対応だとし、高市首相も「最後まで年度内成立を追求する」(側近)との姿勢を維持している。ただ、36年ぶりの1月衆院解散によって当初予算の審議入りが約1カ月遅れた時点で、誰もが「年度内成立は困難」と考えていた。
そうした中で、高市首相が「国民生活最優先」を大義名分に「年度内成立」に猛進したのは間違いない。自民党内にも「ここで判断の柔軟さや懐の深さを見せないと、今後の政権運営に支障が出る」との指摘が相次ぐ。
全文
https://news.yahoo.co.jp/articles/43ceb119d6dc723b83fecf863a5dc80b9b23368d?page=2
自民だけで衆院の3分の2を占め、ろくな審議をしないで衆院での予算案審議をぶっ飛ばし、強行採決さながらで衆院を通過させました。
しかし、参院は少数与党で衆院のようにはいきません。それでも会期内成立を目指しましたが、ついに断念に追い込まれ、暫定予算案を組まざるを得ませんでした。首相の面目丸つぶれですね。しかし、こんなことは初めから予想できたことです。
ホワイトハウスの公式アカウントに掲載されていた「踊る高市首相」の写真や「バイデン前大統領の肖像画」の前の写真等が、なぜか首相官邸の公式アカウントには掲載されていません。「踊る高市首相」の写真はホワイトハウス公式アカウントのトップに掲載されている写真です。
本来なら大喜びで掲載するずなのに、どうしてでしょう。
「憲法9条」を改正したい高市首相ですが、自衛隊のホムルズ海峡派遣要請を断る理由として「憲法9条」を上げました。
国の役割は「国民の命を守る」ことにありますね。危険なホムルズ海峡に自衛隊を派遣したら自衛隊員の命を危険にさらすことになったでしょう。
しかし、高市内閣は自衛隊を今回危険な任務に就かせることから守ってくれた「憲法9条」を改正(改悪)することに邁進しています。
「憲法9条」があるからこそ日本は戦後一人として戦争で亡くなる人が出なかったのです。高市首相はこの矛盾を一体どうするのですか?
高市首相が誕生して3か月。国民の目(高市首相を支持する人は別でしょうが)から見て、やることなすことが異常事態に見えます。しかし、マスコミは高市首相の威光を恐れてか、はっきりと批判しません。マスコミの役割は「権力の監視」であることを放棄したのでしょうか。
高い支持率を誇る高市内閣。
こんなことがこれからも続けばいずれかに「驕る平家は久しからずや」状態になっていくでしょう。
※「驕る平家は久しからずや」とは
栄華や絶頂期は長く続かないたとえ。また、権力や財力をかさにきて、おもいあがった高ぶる人はその身を保つことができない。(漢字ペディア)
3/24(火) 17:00配信 東洋経済オンライン
11年ぶり暫定予算”が暗示する圧倒的「高市推し」の陰り、越えられなかった「参院の壁」と過剰な「トランプお追従」への逆風
年度末まで8日間となった3月24日、2026年度予算の年度内成立が困難な状況となったのを踏まえて、政府・与党が暫定予算の編成に着手した。
衆議院選挙で記録的な圧勝を収めた高市早苗首相はなお年度内成立に固執しているが、「少数与党」となっている参議院の壁は極めて高く、自民党内からは「メンツにこだわれば、今後の政権運営の火種にもなりかねない」(参院国対幹部)との声が相次ぐ。一方で、野党側は「当然の結末」と冷笑している。
■11年ぶりの“異例事態”に突入しそうな舞台裏
高市首相が日米首脳会談を終えてアメリカから帰国したことを受けて、木原稔官房長官は週明けの23日、自民党の松山政司参院議員会長らと首相官邸で会談。「不測の事態に備えて暫定予算を編成する方向で検討したい」と、政府として初めて暫定予算編成に踏み込んだ。
これは首相の意向も踏まえたもので、片山さつき財務相も24日午前の記者会見で「暫定予算を編成する」と明言。タイムリミットとされる同日に、財務省を中心に暫定予算の内容や提出時期をめぐる協議が本格化した。
そもそも暫定予算とは「政府の当初予算が年度内に成立しなかった場合の予算の空白を防ぐための『つなぎ』」(財務省)との位置づけ。前回組まれたのは15年で、今回、暫定予算提出・成立となれば11年ぶりという“異例の事態”となる。
今後の具体的な運びとしては、すでに当初予算が13日に衆院で可決、4月11日には「自然成立」するため、政府・与党としては今回の暫定予算を4月1日から11日までの11日分とする見通しだ。ただ、当初予算が成立した時点で暫定予算は失効し、その間の支出は当初予算の下で執行されたと見なされることになる。
こうした状況も踏まえて、高市内閣はあくまで「不測の事態」への対応だとし、高市首相も「最後まで年度内成立を追求する」(側近)との姿勢を維持している。ただ、36年ぶりの1月衆院解散によって当初予算の審議入りが約1カ月遅れた時点で、誰もが「年度内成立は困難」と考えていた。
そうした中で、高市首相が「国民生活最優先」を大義名分に「年度内成立」に猛進したのは間違いない。自民党内にも「ここで判断の柔軟さや懐の深さを見せないと、今後の政権運営に支障が出る」との指摘が相次ぐ。
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